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【F1】マクラーレン・ホンダはどれほどの危機に瀕しているのか:後編

3/18(土) 17:50配信

motorsport.com 日本版

 シーズンオフのテストを終えた今、ドライバーをはじめとした関係者からホンダのパワーユニットに対する批判が集中している。もはやマクラーレン側は、パワーユニットの供給を受ける可能性について、メルセデスに問い合わせをしたという話も聞こえてくる始末だ。

【写真】テスト2回目の初日、ピットレーン出口でマシンを止めてしまったバンドーン

 ホンダはマクラーレン1チームにしかパワーユニットを供給していないとはいえ、メルセデスとフォースインディア、ウイリアムズ合計で12,479kmを走破しているメルセデス製パワーユニットと比べて、10,000km以上も走行距離で差をつけられている。その上問題なのが、6レース分に相当する距離を走るのに、出力を制限されたパワーユニット5基を要した信頼性の低さである。

 プレシーズンテストで厳しい現実に直面したマクラーレン・ホンダ。両者の関係はどうなっていくのだろうか?

マクラーレン・ホンダが直面した危機。次に何が起こる?

 フェルナンド・アロンソは、現時点での優先事項は信頼性だと明言している。ホンダは開幕戦オーストラリアGP前までに問題を解決することができるという姿勢を維持しているが、それを達成することは容易なことではないだろう。

 そして今年は、ドライバーが使えるパワーユニットが4基に制限されているため、シーズン序盤でパワーユニットに故障が起きることは許されない。シーズン序盤でパワーユニットを”消費”してしまえば、パワーユニットの年間使用制限を超えグリッドペナルティーを受ける可能性が高まってしまう。

 例えばもし、マクラーレンがテストの時のように1レースで2基のパワーユニットを消費してしまうことになれば、バーレーンで行われる第3戦からペナルティーを受ける可能性すら出てきてしまう。

 しかし、グリッドペナルティーはマクラーレンにとって小さな問題のひとつに過ぎないかもしれない。事態が改善しなければ、アロンソはチームでの将来に疑問を抱くだろう。

「人々が悲観的になると、僕は逆に楽観的になるんだ。人々が興奮しすぎると、逆に僕は心配になる」と、アロンソは語り、マシンに競争力がなければそれまで以上にやる気が出ると主張していたが、彼が予選で後方に沈み、レースもフィニッシュできないという状況にあっては、チームに留まるとは思えない。

「もし全てのことが間違った方向に進むのなら、来年はアタックすることになる。それは、僕に勝つこと、そして続けるための多くのモチベーションをもたらす。なぜなら、良い感覚や良い結果が出ないまま、僕はレースをやめないからだ」とアロンソは語っており、2018年もF1に留まるという意志を示した。これはビッグチームのいずれかに、『自分を獲得してくれ』という明確なサインを示したのだとも捉えられている。

 マクラーレンが悲惨な2017年シーズンを過ごした場合、チームにとっての危機はアロンソを失うことだけではない。マクラーレンはスタッフを流出するリスクを抱え、コンストラクターズチャンピオンシップの賞金が下がり、新しいスポンサーとの契約にも影響を与える。

 負のスパイラルを抜け出すのは、困難になっていくだろう。

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