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玄海原発再稼働、明確な反対は3市町長 佐賀で20市町長と知事議論 

産経新聞 3/19(日) 7:55配信

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働について、佐賀県内の20市町の首長と知事が議論する会合が18日、佐賀市内で開かれ、9市町の首長が、安全確保などを前提に再稼働容認の姿勢を示した。明確な反対は3人だった。山口祥義知事は、県議会の意見を聞くため、状況に応じて臨時議会を招集する考えを示した。早ければ4月にも、同意について判断するとみられる。 

 会合で最初に発言した佐賀市の秀島敏行市長は「原発に頼らないなら、火力(発電)を取るのかという、現実的な話をしなければいけない。再生可能エネルギーを確保するまでは、原発を安全運転し、もしもの場合に備えた避難態勢などを充実させるべきだ」と主張した。

 原発がある玄海町の岸本英雄町長は今月7日、「原発は当面欠かせない」として再稼働同意を表明した。この日、岸本氏は「原発を見たいという人がいれば、私がご案内したい」と、原発の安全性への理解を呼びかけた。

 このほか「エネルギー安全保障や、経済の国際競争力維持の観点から原発の再稼働はやむなし」「国の基準を満たし、安全性を確保することを条件に賛成する」などとして、鳥栖市や唐津市、大町町などの首長が条件付きで賛成とした。

 反対を表明したのは、伊万里、神埼、嬉野の3市だった。

 伊万里市の塚部芳和市長は「経済界は電気代がどうのこうのと言っているが、日本経済はなんとかやっている。事故があったら大変な原発を、あえて再稼働する必要があるのか」と述べた。

 ただ、終了後の記者団の取材には「知事が熟慮された結果は、尊重をしなければならない」と述べた。塚部氏は同趣旨の発言を、以前もしている。

 神埼市の松本茂幸市長は「事故の確率が少しでもあるなら、心配、不安は取り除かないといけない。安心できる担保を示してほしい」と語った。

 佐賀県が県内5カ所で開催した住民説明会では、反原発派が数多く参加し、反対・慎重の意見が相次いだが、首長では容認派が多数を占めた。

 山口氏は会合の中で「こういう課題について話してもらうのはきつかったと思います。しっかり受け止めたい」と語った。

 前提としてきた首長の意見聴取や住民説明会が終了したことで、同意判断に向けた環境が整いつつある。

 一方、原子力政策や安全対策、代替エネルギーの開発について、今以上に国が責任を持って取り組むよう求める声が相次いだ。

 「国民や県民が安心できる指標や今後の見通しをつくるのが、国に課せられた義務」(基山町)▽「エネルギー政策は国策。国が前面に出て、安全対策や代替エネルギーをどうするか、しっかり発言し、行動を起こしてもらわなければならない」(吉野ヶ里町)-などの意見が出た。

 山口氏は同意判断にあたって、世耕弘成経済産業相や山本公一原子力防災担当相に対し、玄海原発の現地視察と県との意見交換を求めている。

 会合終了後、山口氏は記者団の取材に「100%リスクはないという問題はない。どんなことであっても、万全の準備をすることが大事であり、不断の努力をすべきだ」と語った。(高瀬真由子)

最終更新:3/19(日) 7:55

産経新聞