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岐路に立つG20 主要国に溝、きしむ協調 共同声明は異例の展開

産経新聞 3/19(日) 7:55配信

 ドイツで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は「反保護主義」をめぐって、最終日まで共同声明案の調整が難航する異例の展開になった。世界経済の牽引(けんいん)役であるにもかかわらず、「米国第一」を掲げるトランプ政権にどう向き合うのか、G20の協調態勢は試練を迎えている。 (田村龍彦、バーデンバーデン 中村智隆)

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 「G20メンバーは、ムニューシン米財務長官がトランプ政権の経済政策について、どういう考え方を示すか注目している」

 会議直前、日銀の黒田東彦総裁がこう述べたように、今回のテーマは、巨額の不良債権を抱える中国でも、財政不安が続くギリシャでもなく、「トランプ」一色だった。

 通常のG20では、最終的な声明案の大筋が討議初日に固まり、翌日の閉幕時に採択されることが多い。だが、今回は従来の声明にあった「保護主義に対抗する」との表現を削除するかをめぐり、調整が難航した。

 トランプ政権は、自国に不公平な通商関係を是正するため「国境税」など保護主義的な政策を打ち出す。このため、米国は「保護主義対抗」の削除を強く求め、議長国のドイツも配慮する姿勢を示したが、他の主要国が反発したようだ。

 国際金融筋は「日米欧の先進7カ国(G7)がこれまで保護主義への対抗に反対することはなかった」と驚きを隠さない。

 G7に中国やインドなどの新興国を加えたG20は、リーマン・ショックが起きた2008年から首脳会議を開催。これまでは先進国と新興国の意見が対立するケースが目立っていた。

 昨年9月に中国・杭州で開かれたG20首脳会議でも、中国が過剰な生産能力を背景に鉄鋼などを安く輸出して市場の価格形成をゆがめていると日米欧が非難、構造改革を迫る構図だった。

 だが、最近は中国が「貿易戦争の結果は共倒れだ」(習近平国家主席)と、米国の保護主義を批判する逆転現象も起きている。

 「自由貿易が多くの国で経済の繁栄に寄与してきた歴史を認識すべきだ」

 麻生太郎財務相は17日の討議でこう呼びかけた。

 自由貿易や国際協調などの理念を掲げて、リーマン・ショック後の世界経済を下支えしてきたG20の枠組みは岐路に立っている。

最終更新:3/19(日) 9:12

産経新聞

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