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自立していて勇敢な「モアナ」 なぜ、ディズニーは魅力的な女性キャラを生み出せるのか

3/19(日) 10:30配信

BuzzFeed Japan

今月日本でも公開されたディズニー映画『モアナと伝説の海』。世界的なヒットとなっている「モアナ」をはじめ、「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」など、近年のディズニー映画は魅力的な女性キャラクターが活躍する作品が目立つ。なぜディズニーは、見る人たちを夢中にさせるキャラを生み出せるのか。その背景には、女性クリエイターの活躍があった。
【Ariane Lange / BuzzFeed Japan News】

ディズニー黄金時代の23枚の写真たち

2016年の夏、『モアナと伝説の海』の主役となるポリネシアの少女、モアナのイメージが公開された。そのとき、すぐに多くの人の目にとまったのが、ヒロインのがっしりした現実的な体つきだ。「意図的な試みだった。ひとつには、それまでとは違うヒロインにしたかったからだ」。共同監督のジョン・マスカーは、7月にBuzzFeed Newsにそう語っている。「アクションヒーローのようにしたかった」

マスカー共同監督はモアナの筋肉質な体を、過去のヒロインとの違いの象徴ととらえているが、一部のディズニーファンにすれば、その発言はどこか聞き覚えのあるものかもしれない。

「私が求めたのは、リアルな少女だ」。『メリダとおそろしの森』の脚本と監督を務めたブレンダ・チャップマンは、弓矢を操る主人公メリダについて、2012年に「ニューヨーク・タイムズ」にそう語っている。

「腕や脚やウエストが細くて華奢すぎて、現実にはとうてい生きられないような少女ではなく、たくましい女の子にしたかった」。『メリダとおそろしの森』は、おとぎ話の「お決まりの設定」を引っくり返すものだった、とチャップマン監督は語っている。

14年前、『ムーラン』のヒロインの声を務めたミンナ・ウェンも、ムーランについて、「シンデレラのアンチテーゼだ。長いドレスではなく、よろいをまとっている」と「USAトゥデイ」に語った。

ディズニー映画のヒロインを語るスタッフたちが、今作は過去のヒロイン像を覆すものだと主張するのは、1989年の『リトル・マーメイド』の反抗心あふれるヒロイン、アリエルにまでさかのぼる、一種の伝統といえるだろう。

『モアナと伝説の海』と『リトル・マーメイド』の両方でマスカーとともに監督を務めたロン・クレメンツは1990年、「スクリップス・ハワード・ニュース・サービス」に対して、アリエルの赤い髪に衝撃を受けた人たちもいたが、「我々はそれが重要だと感じていた」と語っている。「その(髪の色の)おかげで彼女は個性的になった」。

「今度のプリンセスはこれまでとは違う」という主張は、「動物の仲間」や「理解のない親」に劣らず、ディズニープリンセスを形づくるうえでほとんど不可欠な要素になっているのだ。

だが、ムーランの筋肉質な美しさや、モアナのがっしりしたプロポーションは、その舞台裏にいた女性たちなくしては、スクリーンに登場していなかったかもしれない。彼女たちこそが、そうしたディズニープリンセスたちを形づくったのだ。

「この映画に関わった女性たち、プロデューサーやそのほか(の人たち)が……ずっと言いつづけていた。『ハチみたいに細いウエストの女性にはしないで。もっとリアルな体形にしよう、強い風が吹いても飛ばされたりしない雰囲気を出そう』ってね」。2016年7月に行われたBuzzFeed Newsのインタビューのなかで、マスカー共同監督はモアナについてそう語っている。

もちろん、正確にいえば、王道から完全に脱却したプリンセスはひとりもいない。だが、アリエル以降のプリンセスたちはみな、それぞれがルールを破ってきた。そして、その変化を強力に推進し、より賢く勇敢で自立したキャラクターを造形してきたのは、ディズニー映画に関わる女性たちだった。

プリンセス映画は女の子だけに訴えるものなのか、という議論がディズニー内部で交わされる一方で、製作スタジオでは女性たちが立ち上がり、そもそもプリンセスとは何か?という本質に挑んだ。そして、21世紀の女性像に合わせてプリンセスのイメージを作り変えていった。

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最終更新:3/20(月) 2:21
BuzzFeed Japan