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<米国>備えるメキシコ人…送還前に出生届、全米で法律相談

毎日新聞 3/20(月) 10:00配信

 【ニューヨーク國枝すみれ】不法移民に強硬姿勢を示すトランプ米政権による強制送還に備え、全米のメキシコ領事館が無料法律相談を始めた。弁護士が輪番で助言し、24時間対応の緊急電話もある。

 「逮捕状がない人に滞在資格を問われても答える必要はありません。所持品検査も拒否できます」。ニューヨーク市マンハッタンの総領事館で、アンドレス・レモンス弁護士が2種類の文書を見せ説明してくれた。「これは裁判官の署名がある本物の逮捕状。こっちは移民局員の署名なので従う必要はない」。助言は具体的だ。

 推定約1100万人の不法移民のうち半分強がメキシコ人だ。総領事館では出生届を出す家族が目立った。

 「強制送還されたら米国生まれの子供たちはどうなるのか」。トマス・エルナンデスさん(29)は9日、1~5歳の4人の子供の出生を届けた。これで米国籍とメキシコ国籍を得る。自分とホンジュラス人の妻(28)が送還され子供が米国に残されても、その保護にメキシコ政府が介入できるようになるのだという。

 エルナンデスさんは12年前に不法入国。工事現場で働き1日約100ドル稼ぐ。1、2週間に1回は母国の両親に送金する。「米国で1日で稼げる額はメキシコだと1週間かかる。ここにいたい」

 ヘラルド・イソ領事によると米移民局の摘発は犯歴がある不法移民に集中しており、在米メキシコ国民には「落ちついて、でも準備して」と呼びかけているという。米NPO財政政策研究所の推計では不法移民はニューヨーク州の経済に推計400億ドル(約4兆5000億円)貢献し、地方自治体に約11億ドルの税金を支払う。大量強制送還は経済への打撃との懸念は米国民にも根強い。

最終更新:3/20(月) 10:00

毎日新聞

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