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月内解散? 都議選の流れ変える 森友…「逃げた」印象

産経新聞 3/20(月) 7:55配信

 平成29年度予算成立直後の衆院解散、4月11日公示、4月23日投開票で総選挙-。安倍晋三首相が決断すれば日本列島は桜吹雪のような選挙戦が繰り広げられることになる。やや唐突感もある解散風は政権にとってどのようなメリットがあるのか。逆に首相を逡巡(しゅんじゅん)させるデメリットとは-。(酒井充)

 ◆「負の連鎖」断つ

 政権にとって最大のメリットは7月2日投開票の東京都議選の流れを変えることができる点だ。自民党には、都議選で大敗後の国政選挙で惨敗した苦い経験がある。都議選前に衆院選を実施すれば、「負の連鎖」を断ち切ることができる。

 勢いを増す小池百合子都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」との対決を避けるため、公明党は、候補者の相互推薦といった選挙協力に踏み切った。これが実現すれば自民、公明両党の国政の選挙協力にも大きな影響が出るが、都議選前に衆院選を実施すれば、小池氏の勢いをそぐことができる上、公明との連携にもクギを刺せる。都民ファーストの国政進出を阻むべく次の一手を練ることも可能となる。

 国政選挙並みに都議選を重視する公明党は、支持母体である創価学会の組織を東京でフル稼働させるため、都議選前後の国政選挙を通常は嫌がる。

 だが、今回は多少事情が異なる。小池氏と選挙協力したところで過去6回連続の「候補者全員当選」は難しい。都議選で国政での自民党との連携にしこりが残ることも避けたい。それだけに、ある公明党関係者は「衆院選で都議選を埋没させる作戦は『あり』だ」と打ち明ける。

 ◆現行の区割りで

 もう一つのメリットは、衆院の「一票の格差」是正に向けた新しい区割りではなく、現行の区割りのまま選挙をできることだ。

 衆院選挙区画定審議会は5月27日までに選挙区の「0増6減」を軸にした区割り変更案を首相に勧告する。大都市圏を含む100選挙区前後で区割りが変更される見通し。自民党の二階俊博幹事長が「今抱えている問題の中で一番大きな問題の一つだ。こんなことに遭遇したことは私の経験ではなかった」と嘆くほど、その後の候補者調整は難航が予想される。先に衆院選を実施すれば、じっくりと調整に取り組むことができる。

 また、衆院選後は第4次安倍内閣の組閣・党役員人事を行うことになる。緊迫する北朝鮮情勢など喫緊の課題に合わせた人材をそろえることができる。答弁に不安のある閣僚も一掃でき、人事刷新により自民党内の不満も押さえ込める。

 ◆自民議席減必至

 一方、デメリットは、学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題や、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題などから「逃げた」という印象を与えることだ。

 衆参両院の予算委員会は23日、森友学園理事長の退任を表明した籠池泰典氏の証人喚問を行う。野党は「首相からの寄付」証言などで攻勢を強める方針で、日報問題では稲田朋美防衛相の辞任を求めている。ここで解散すれば民進党など野党は選挙戦を通じて「森友隠し解散」などと訴える公算が大きい。

 だが、政権にとって、より深刻なデメリットは自民党の議席増が望めないことだろう。内閣支持率はなお50%超を維持し、自民党は40%前後を堅持しているにもかかわらず、「自民党は最低でも30議席減」という分析もある。選挙基盤の弱い若手を多く抱えているからだ。

 そうなると首相の求心力も低下しかねない。何より、公明党と合わせて3分の2超の現有議席を失えば、首相の憲法改正の夢は遠のいてしまう。

最終更新:3/20(月) 8:58

産経新聞

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