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帰ってきたAMD、再びインテルの良きライバルに

3/20(月) 12:15配信

投信1

パソコン用マイクロプロセッサーといえば、インテルとAMDの2強という構図が長らく続いてきたが、微細化などパフォーマンス競争で後塵を拝してきたAMDは近年、業績が低迷し、財務状況も大きく悪化する事態を招いている。

しかし、ここにきて、AMDが復活の狼煙を上げつつある。新アーキテクチャーを搭載した「Ryzen」の評価が高く、失地回復の切り札と目されているからだ。GPUやゲーム機向けビジネスが好調であることも大きな後押しとなりそうだ。さらに、生産面では前工程に加えて、後工程に関しても中国OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly&Test)との合弁事業に切り替えるなど、より身軽な体制となった。

帰ってきたAMD、反転攻勢をかける今後を追った。

4年の歳月かけて

AMDの業績は過去5年間低迷し続けており、2012~16年の5年間で営業黒字を計上したのは13年だけだ。直近の16年業績は売り上げこそ増収を記録しているが、依然として赤字基調が続いている。数字上ではまだ復活の兆しを見せていないが、製品レベルでは今後に期待を抱かせるものが出てきている。

その筆頭格といえるのがデスクトップ向けCPUの新シリーズ「Ryzen」だ。Ryzenには新マイクロアーキテクチャーである「Zen」が搭載されており、消費電力はそのままに、前世代のAMDコアと比べて、IPC(1クロックサイクルあたりの実行命令数)が52%向上している。

「Zen」は同社が復活の切り札として、アーキテクチャー設計をゼロから見直したもので、実に4年もの歳月をかけて作り上げたものだという。Ryzenの製造プロセスには14nm世代のFinFETプロセスが用いられている。

競合するインテルのCPUに比べて、パフォーマンスがほぼ同等でありながら、圧倒的な価格差(AMD製の方が1万~2万円安い)があるとして発売前から多くの評判を集め、3月2日深夜の発売時には秋葉原で多くの行列ができたようだ。深夜に先行発売を行った秋葉原PCパーツショップによれば、深夜組のお客でほぼ完売となり、3月10日現在で入荷待ちの状態が続いているという。

AMDでは、この「Zen」をサーバー用、モバイル用にも広く展開していく計画。サーバー用の「Neplas」は17年4~6月期、モバイル用の「Raven Ridge」は17年後半に市場投入する考えだ。

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最終更新:3/20(月) 12:15
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