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<日露2プラス2>北方領土、駆け引き ミサイル配備で応酬

毎日新聞 3/21(火) 0:10配信

 3年4カ月ぶりに再開した20日の日露外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)では、両政府の思惑がぶつかり合った。平和条約締結交渉の加速につなげたい日本側に対し、ロシア側は、主要7カ国(G7)の一員である日本を自陣営に引き寄せようともくろむ。安倍晋三首相とプーチン大統領は今年も会談を重ねる方針だが、双方の駆け引きが続きそうだ。

 岸田文雄外相は共同記者会見で「安全保障を含むあらゆる分野で関係を進展させることは、平和条約交渉によい影響を与える」と今回の2プラス2の意義を強調した。

 ロシアによるクリミア編入前に同国と2プラス2を行っていた米、英、仏、伊、エジプトの5カ国に先駆けて日本は協議を再開した。北朝鮮が核・ミサイル開発を進め、中国の海洋進出が活発化する中、安全保障分野でロシアと連携を強めるのが得策と判断したためだ。北方領土問題の進展に向けた環境整備を図る思惑もある。

 ただ、ラブロフ外相は会見で「2プラス2はもともと平和条約問題解決のためではないが、岸田外相の指摘通り、対話の継続が両国の友好的な関係に資する」と表明。2プラス2の位置付けを巡る互いの温度差は明らかだった。

 このため、北方領土とその周辺でのロシアの軍備強化を巡って、両政府の主張は対立した。岸田氏と稲田朋美防衛相は、北方領土への地対艦ミサイル配備や、クリル諸島(千島列島)への師団の配備方針に「遺憾だ」と抗議したが、ショイグ国防相は会見で「師団は第三国に対する作戦ではない。ミサイル配備は国境線を守るためだ」と正当化した。日本側からは「ロシアの説明はあいまいで、十分納得できるものではなかった」と不満が漏れた。

 一方、日米韓3カ国による弾道ミサイル防衛(BMD)の強化に対しては、ラブロフ氏が「北朝鮮のミサイルの脅威と非対称的だ」と逆に日本をけん制した。対北朝鮮制裁に関しても、同氏は「北朝鮮が対話に参加するための手段にしなければならない」と述べた。

 一方、ショイグ氏は会見で、日本側にシリア支援で協力を呼びかけた。2015年にロシアが開始したシリア空爆に欧米諸国は反発し、ウクライナ問題に続く新たな対立点になっている。同氏の提案は、欧米に近い日本や、米国に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。

 ロシアが想定するのは、同国が実施している人道・医療支援や地雷処理活動への日本の協力だ。ロシア軍は、シリア中部パルミラの古代遺跡周辺に過激派組織「イスラム国」(IS)が仕掛けた地雷処理を行っている。ショイグ氏は「ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産だ」と強調。紛争終結後のインフラ復興にも日本の参加を求めた。【田所柳子、モスクワ杉尾直哉】

最終更新:3/21(火) 2:53

毎日新聞

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