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政府と先住民団体、民族ゆかりの土地めぐり溝 座り込みの抗議活動も/台湾

3/21(火) 17:37配信

中央社フォーカス台湾

(台北 21日 中央社)台湾原住民(先住民)が民族ゆかりの地を自主的に「伝統領域」として保護や開発の制限を訴えていることをめぐり、政府と原住民族団体らの間で意見が対立している。政府が私有地での適用を認めない考えを示したためで、総統府前では座り込みの抗議活動に発展。双方の溝は埋まっていない。

昨年発足した蔡英文政権では、原住民に対する過去の人権侵害とその結果にどう対応すべきかを再考する「移行期の正義」の取り組みが進む。政府は原住民らが主張する伝統領域を大筋で認める方針だが、先月に原住民族委員会が、原住民の土地や集落の範囲を定める基準の草案を発表すると、一部から不満が噴出した。

団体関係者によると、私有地を伝統領域として認めない場合、現在原住民らによって宣言されている180万ヘクタールの土地が、80万ヘクタールに減らされる恐れがあるという。「原住民の権利を裏切った」「祖先に会わせる顔がない」。原住民の悲痛な叫びが上がる。

20日には総統府原住民族歴史正義および移行期の正義委員会の第1回委員会が開催された。出席した蔡総統は、原住民の主張や歴史的事実を尊重・理解するとした上で、移行期の正義の取り組みは異なるエスニックグループ(族群)間での和解を促進することが目的とし、対立を起こすためのものではないなどと強調。伝統領域について引き続き対話を行う考えを示したが、対応をめぐっては委員会内でも意見が割れ、共通認識の形成には至らなかった。

(葉素萍、呉欣紜、蘇龍麒/編集:齊藤啓介)