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G20、従来とは大きく様変わり? パワーゲームの色彩が濃くなるだけ?

3/22(水) 8:00配信

THE PAGE

 ドイツのバーデンバーデンで開催されていたG20(主要20カ国の財務相・中央銀行総裁会議)が18日に閉幕しました。今回のG20はトランプ政権発足後、初めての会合となりましたが、従来のG20とは大きく様変わりしています。世界経済の枠組みはどのように変わったのでしょうか。

自由貿易よりも自国の利益を最優先

 従来のG20は保護貿易に反対し、国際的な自由貿易体制の維持を基本方針としてきましたから、会合のたびに公表される声明文には、必ずと言ってよいほど「保護主義に対抗する」という文言が盛り込まれていました。しかし、今回の声明文にはこの文言は記載されていません。この文言が削除された正式な理由は明らかにされていませんが、米国が強く反対したことは間違いないでしょう。

 トランプ政権はアメリカ・ファーストを掲げており、国際的な自由貿易よりも自国の利益を最優先する方針を明確にしています。今回のG20でも米国が文言の削除を強く求めてくることは事前に予想されていましたが、各国もトランプ政権に配慮し、これに同意する結果となりました。

 ただドイツのショイブレ財務相は、米国側と見解の相違があったことを認める発言を行ったほか、フランスや中国は保護主義に反対する立場を明確にしています。日本から参加した麻生財務相は「米国に配慮したわけではない」という趣旨の発言を行っており、文言の削除が米国の意思ではない点を強調しました。

 もっとも声明文では、通貨安競争の回避や国際貿易の重要性などに言及しており、G20の枠組みそのものが崩壊したわけではありません。しかし、適正な貿易のあり方については、今後、徐々に見直しが必要となるでしょう。

国際交渉が苦手な国にとっては不利に

 従来は、貿易に関する障害は、原則としてすべて排除すべきものという認識で一致していましたが、今後は、各国が自国の利益を考えた上で「公正な貿易」について主張するようになります。

 これまでも原則はあくまで原則であり、最終的には国家間の交渉力の差によって最終的な貿易条件が決まっていました。その点では、大きな変化はないと見ることもできますが、よりパワーゲームの色彩が濃くなりますから、日本のように貿易依存度が高く、かつ国際交渉が苦手な国にとっては不利になる局面が増えてくるかもしれません。

 日本と同様、対米貿易が経済の柱となっている中国は、保護主義に対して強い警戒感を示しています。当面は中国と米国の個別交渉がどのように進むのかで、全体的な保護主義の流れが決まってくるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/23(木) 5:35
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