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黒田日銀総裁、残り1年 前半は高評価も遠い「2%」

産経新聞 3/21(火) 7:55配信

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁が就任して20日で4年になり、任期5年の最後の1年に入った。2%の物価上昇目標を掲げて、当初は「黒田バズーカ」と呼ばれた異次元の金融緩和でアベノミクスを牽引(けんいん)してきた。しかし、ここ最近は金融政策に息切れもみられる。日本を代表する「日銀ウオッチャー」18人に、黒田日銀の4年間の評価と「ポスト黒田」の予想をしてもらった。

 財務省出身で財務官を歴任した黒田氏は、総裁に就任すると、安倍晋三政権の課題だったデフレからの脱却のため「2年で2%の物価目標達成」を掲げ、最初の金融政策決定会合で異次元の金融緩和を決定。円安株高が進み、消費者物価指数(生鮮食品除く)は平成26年4月に前年同月比1・5%上昇した。「デフレ予想を払拭する大胆な緩和」(第一生命経済研究所の熊野英生氏)、「デフレを転換させた点は大きな功績」(SMBC日興証券の牧野潤一氏)とおおむね高評価だ。

 しかし、「2%」は2年で実現せず、黒田氏は昨年1月、マイナス金利の導入を決めた。資金が貸し出しや設備投資に回り、景気を刺激する狙いだったが、「金融機関の収益や消費マインドに悪影響を与えることが明らかになった」(明治安田生命保険の小玉祐一氏)などと、ここから黒田氏への評価は厳しくなる。

 黒田氏が今月16日の記者会見で、2%の物価目標を達成できない理由を「原油価格の下落、消費税率引き上げ後の需要の弱さ」と答えた。小玉氏は「消費税や原油価格のせいにするのはフェアではない」と手厳しいが、「黒田氏には不運だ」(農林中金総合研究所の南武志氏)と同情の声もある。

 大規模な金融緩和の長期化について、東短リサーチの加藤出氏は「(債券など)金融市場や金融システムにひどいゆがみをもたらしている」と指摘する。

 日銀の国債保有残高は420兆円を超えている。黒田氏には2%の物価目標達成と緩和縮小に向けた「出口戦略」の道筋をそれぞれ示すことができるかが問われる1年になる。(永田岳彦、米沢文)

最終更新:3/21(火) 10:05

産経新聞

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