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2017年は有機EL元年だ! 事情通が最新情報を明かす!(1)

3/21(火) 17:46配信

Stereo Sound ONLINE

1月の東芝X910シリーズにつづいて、LGエレクトロニクスから、新型有機ELテレビ4モデルが発表になった。両社以外にも、今年1月にラスベガスで開催されたCESで、パナソニックやソニーが新型の有機ELテレビを発表するなど、まさに2017年は「有機ELテレビ元年」になりそうな機運が漂っている。

そこで今回は、CES取材を行なったオーディオビジュアル評論家の麻倉怜士さんと藤原陽祐さんに、2017年に発売される、あるいは発売されるであろう、パナソニック、LG、ソニーの有機ELテレビの展開についてざっくばらんにお話いただいた。(Stereo Sound ONLINE 編集部)



---今日はよろしくお願いします。

◎麻倉:よろしくお願いします。CESからずいぶんと日が経った印象がありますが、今年のCESはまさに「有機ELイヤー」の幕開けを感じさせましたね。その詳細について最新情報を交えつつ解き明かしていきましょう。

◆藤原:今年のCESのテレビ関連でいうと、昨年と比べてずいぶんと雰囲気が異なりましたね。特に中国のテレビメーカーの有機ELテレビ関連の展示レベルが大きく向上したのが印象に残りました。昨年は日本と韓国の出展がメインで、CESにおいて新参といえる中国メーカーは、展示ブースこそ広いものの展示の方法がまだ洗練されておらず、言葉は悪いんですがダサかったというか。画質的にもLGエレクトロニクスやパナソニックの有機ELと比べるとだいぶ差があって、液晶テレビと比べても見劣りするような感じすらあった。

 しかし今年は中国メーカーの展示レベルがこなれていて感心しました。製品の外観デザインもそれなりに洗練されつつありますし、画質も一定のレベルまでは上がってきました。有機ELテレビの画質向上が引っ張られて、中国メーカーの展示全体的がボトムアップしてきていました。

◎麻倉:そうですね。俯瞰して言えば、今年は「有機EL元年」と言ってもいいほど、世界的に有機ELテレビ展示の存在感がグッと高まりました。やはり日本メーカーの大御所、パナソニックとソニーが本腰を入れてきたというのが大きいと思います。去年のパナソニックは、有機ELテレビの欧州モデルだけの展示にとどまっていましたが、今回は日本とヨーロッパのマスコミ向けに有機ELの発表会を催しましたし、ソニーは今年、有機ELテレビのA1Eシリーズを、プレスカンファレンスの場で、平井和夫社長イチオシのアイテムとして紹介しました。

 思い返してみますと、大型の有機ELテレビは、2012年にLGエレクトロニクスが白色OLED+WRGBからフィルター方式で、サムスンがRGBサブピクセル方式でフルHD解像度のモデルを発表しました。しかし、サムスンは大画面向けのパネル製造がモノにならず撤退。いまではQD(量子ドット)素子を使った液晶テレビで、有機ELよりも画質がよいと宣伝しているばかり。

 サムソン撤退の結果、大型テレビ用有機ELパネル製造を手がけているのが、LGエレクトロニクスのグループ会社、LGディスプレイだけになりました。彼らの性能向上と量産体制が整った要因もあり、日本メーカーの有機ELテレビの本格参入が今年一気に進んだ印象です。つまり、CESでは、パネルデバイスの主役が液晶から有機ELに移りつつあるのが鮮明になりました。

◆藤原:一部のメーカーは、プラズマテレビの時代に画質や焼き付きなど耐久性に関わる問題で苦い経験をしています。そのため、プラズマと同じ自発光方式である有機ELテレビも当初は懐疑的な見方をしていたのですが、ここ数年における有機ELパネルの性能/特性向上もあってか、パナソニック、ソニー、東芝がこぞって有機ELパネルを採用、その製品をCESで発表するにいたりました(註:東芝はCESには出展していない)。

 日本のテレビ市場は、2011年の地上デジタル放送への移行に伴なう買い替え需要がピークを迎えた後、売上的には長く冬の時代でした。4K化という流れはあっても、本格的な復活の契機がなかなか見えなかったわけです。ところが、足元の液晶テレビ事業の好転に加えて、今年はプレミアムモデルの価格帯で、待望の有機ELテレビが本格的に立ち上がりそう。そんな新しいテレビ時代の芽生えをCESで感じました。

(つづく)

Stereo Sound ONLINE

最終更新:3/21(火) 17:47
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