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Webコンテンツは総力戦、伝わらない「こだわり」という大艦巨砲主義

3/22(水) 7:06配信

Web担当者Forum

心得其の496

 

大艦巨砲主義の失敗

先の大戦で、日本が敗戦した理由など、そもそも論で無謀だったと言ってしまえば、それでおしまいですが、戦略的には「大艦巨砲主義」が挙げられます。大きな戦艦、巨大な主砲で敵を蹴散らす。男子的には爽快ですが、航空兵器の発達から制空権の奪取が重要となった時代に取り残されたのです。

Webに残しを見つけるとはいささか物騒ですが、自社の主力商品のみをアピールする戦い方に重なります。たとえば、「こだわりのそば屋」。そばの実の鮮度にこだわり、石臼で挽き、毎朝手打ち。こだわりの水もアピールすることは間違いではありませんが、必ずしも百点満点の正解ではなく、ストロングポイントのみの強調は「大艦巨砲主義」となり、ときに首を絞めることもあります。

今回は思考実験。例示しやすいのでそば屋にしましたが、実在の店舗は関係ありません。

 

そばの香りがわかるか

こだわりのそば屋として千客万来、開店から閉店までお客が途切れないのなら「大艦巨砲主義」でも間違いではありません。一方で「そこそこ」なら、サイトの見直しを検討すべきでしょう。

そもそも、そばの良し悪しを明確に判断できるお客はまれです。そば好きにとっては「香り」が何より大切、何もつけずに食したり、塩で食したりする人がいるのは、香りを楽しむためです。旅行誌「サライ」のサイトで、「そばを作っている人間が、こういうことを言ってはいけないと思うんですが、実は香りには自信がないんです」と告白する主人がいるように、そばの香りは繊細なもの。

素人にとって、そばの判断基準は、細い太い、堅い柔らかいといった麺の形状やゆで加減、そばつゆの甘いや辛いといった味です。だから、そばへのこだわりだけ語ったコンテンツに感心はしても、食欲をそそられるのはそばマニアだけという可能性があります。

実際、「さらしな」「もり」「田舎」といった、実の挽き方が違う三種のそばを提供する店で、それぞれの違いを明確に答えられるお客はまれです。

 

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最終更新:3/22(水) 7:06
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