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日本版ABMは何が違う? 外部データ活用・コンサルを拡充させたMarketo ABMの狙いを聞く

3/23(木) 7:06配信

Web担当者Forum

今回の連携は、その前段階、そもそもどういうお客様に売っていきたいのか、予算、営業人員をどこにアサインすべきなのか、前提となる選定をしっかりやっていくところで、非常に生かされると思います。

弓削氏(東京商工リサーチ): 私自身も、TSRでABMを実践していますが、当然、黙っているだけでは存在しないコンタクト情報は取れません。そこでまず我々がやるのが、ポテンシャルがあるアカウントを定義することです。これは、ターゲティングにつながります。

ターゲティングをした後は、営業とリストを見ながら、重点的どの顧客を攻めていくのか選定する作業が必要になります。そのうえで、優先して攻めていくターゲットが決まる。

次はそのターゲットをどう攻めていくのか、まず社内リソースを当たります。営業部門から他部門まで、組織横断的にターゲット先のコンタクト情報が本当にないのか、たとえば営業になくてもファイナンスやサポートにはあるかもしれません。そういったコンタクト情報を1つに、MAに集めます。

それでもコンタクト情報がない場合は、ピンポイントにターゲット先のコンタクト情報が取れるように、セミナー案内を送ったり、キャンペーンを行ったりします。あるいは、営業が直接訪問したり、系列会社からの紹介を探したりもする。


――日本では海外のようにアドレスのリストを買って、新規のアカウントを見つけるようなことは難しい。まずターゲットを絞り、コンタクト情報がないのがわかれば、そのためのマーケティング施策を仕掛けていく。



弓削氏(東京商工リサーチ): 個別のアカウントごとに、さまざまな戦略を練ってコンタクト情報を取得していく。これがTSRでも実際にやっていることです。泥臭い方法ですが、日本ではこれが王道です。

 

ABMの導入によって営業とマーケティングの連携が加速する

――営業部門には昔からアカウント営業という概念がありました。ABMの考えと混同して妨げになるようなことはないでしょうか。



槇氏(アクセンチュア): おっしゃるとおり、営業部門は顧客をランク付けして、重要な顧客については、どの部署の、どの人に、何の商材を持っていき、どのようなコミュニケーションをして、受注を獲得するのかという戦略を、アカウント単位に年・半期などのサイクルで立てていました。

これは営業視点では従来からあるアプローチですが、そこにマーケティングも参画して一緒に取り組むというのが、ABMのコンセプトです。

ここ2~3年、マーケティング部門は営業がアプローチしていないリードを営業の代わりに掘り起こし、マーケティング部門側でホットリードに育成して営業に引き渡すことをやってきたと思います。ただし、それだけでは、売上貢献の観点で十分な成果がでないことがあり、営業からするとマーケティングがやるべきことだと、役割を分けてしまっていました。


――マルケトABMとの連携で、営業とマーケの連携が加速すると言っていたのは?



槇氏(アクセンチュア): 営業部門主体で営業だけにフォーカスして改善すると、営業が作っているアカウントプランに基づいて日々の営業活動を最適化するところにどうしても目が行きがちです。

ここにマーケティングが入ってくると、マーケティングが持っている接点を使い(展示会、ホワイトペーパーダウンロード、商品紹介動画など)、営業活動のもう少し早いタイミングから行動を捕捉する活動ができます。

営業は限られた時間で最大の売り上げを獲得することを考えて活動するので、確度の低い案件には、時間を投資するマインドが働かないことがあります。そこに対して、今日いらっしゃるパートナー2社のような、企業情報データを拡充するサービスがつながることで、営業がタッチする前から確度を上げていくことができるのです。

限られた営業の時間をどこに使うのか、より戦略的なアプローチを営業とマーケティングが部門間で連携して一緒にやっていく。そのプロセスの整備と実行を支援するのが我々のミッションだと思っています。


――MAがブームになったとき、日本企業にはMAの業務経験がないから、ツールだけあってもうまくいかないと言われていた。ABMはスムーズに導入できると考えていますか。



福田氏(マルケト): よく、日本は米国と比べてどうかという話があるが、私自身は劣っていると思っていません。実際、米国のカンファレンスでも営業とマーケティングの連携が必ずテーマになります。米国でMAを使う企業でも、マーケティングが供給したリードを営業がうまくフォローしてくれないとか、組織作りはどうすればいいのか、CMOがいないといった話はある。

日本と米国の課題が同じだとはいえ、日本企業がフルにMAを活用しているかというと、そういう段階ではない。2014年、15年ごろからMAを導入して、今はPDCAの最初のCheckに来た段階だというのが私の実感です。どの企業も課題が見えてきて、次のアクションを取ろうとするフェーズにあると思う。

一方、MAの普及において、少し勘違いされていたケースもあると思っています。マーケティングでスコアが高い顧客をインサイドセールスがフォローし、営業につなぐという、一方通行のシリアルな分業体制が強調されている感があった。実は、そういう流れで来るのは全体の一部でしかない。

たとえば、新規顧客の発掘をするとき、最初は営業がコールドコールをして何とか面談にこぎつけたけど、商談にはつながらなかった。営業は一度コンタクトをやめるけれど、半年後に何かの記事を見てセミナーに参加し、やっと営業につながるようなことがある。

つまり、マーケティング起点なのか、営業起点なのかではなく、クロスして動いていくことが重要だということです。そういった点で、ABMは営業とマーケティングが、同じ目線に立ってターゲットを選定し、その間の過程も共有していくプラットフォームになる。そこに大きなチャンスがあると思います。

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マルケトが3月8日のサービス開始時点で発表したパートナー企業は、記事に登場した3社を含む11社。パートナー企業は、順次拡大していく予定だ。
Marketo ABM第一弾パートナー企業

・Sansan
・アクセンチュア
・サイバーエリアリサーチ
・サンブリッジ
・シンフォニーマーケティング
・電通デジタル
・東京商工リサーチ
・富士通
・ユーザベース
・マーケットワン・ジャパン
・ランドスケイプ

マルケト

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最終更新:3/23(木) 7:06
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