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ブラック企業撲滅? 仙谷氏が設立したホワイト企業認定団体は機能するか?

3/24(金) 8:00配信

THE PAGE

 民主党政権時代、内閣官房長官などを歴任した仙谷由人氏が「ブラック企業」を撲滅するという民間団体を立ち上げました。企業から有償で依頼を受け、労働問題の専門家が企業の労働環境をチェック。適正に運営が行われている企業に対して「ホワイト認証」を提供するという仕組みですが、果たしてうまく機能するのでしょうか。

 仙谷氏が立ち上げたのは「一般社団法人・ホワイト認証推進機構」です。仙谷氏本人が代表理事を務め、理事には弁護士や社会保険労務士らの名前が並んでいます。

 同団体は企業から依頼を受け、企業の労働環境を専門家が検証し、適正と判断された企業に対してはホワイト認証を付与します。検証作業は弁護士2名と社会保険労務士1名のチームが担当し、経営者へのヒアリングや社内規定の整備状況を確認するとともに、従業員に対するアンケート調査などを行います。認証は2年間有効で、自動更新はなく、認証を継続するには再び手続きが必要となります。認証に必要な料金は、社員10人未満の企業は20万円、50人未満は30~50万円、50人以上は50~100万円、100人以上については都度見積もりとなっています。

 ホワイト企業の認証については、厚生労働省がホワイトマーク(安全衛生優良企業公表制度)を導入するなど、いくつかの制度が存在しています。しかし、既存の制度は書面での審査がほとんどで、各種規定の整備状況をチェックするところまでしか対応できません。同団体では、民間組織という特徴を生かし、形式だけではなく実態についても調査を行うことで、信頼性がより高まるとしています。

 確かに公的な機関は立場上、経営の内部に立ち入って審査をすることができませんから、より実態に即した検証を行うためには民間組織であることが有利に働きます。このような組織が社会に普及すれば、認定を取っていない企業は採用面などで不利になるため、労働者から見れば企業を選択するひとつの指標となるでしょう。

 一方、民間の場合には経営が成り立たなければ意味がありませんから、場合によっては審査が甘くなってしまうというリスクがあります。似たようなケースとしては債券の格付システムが参考になるかもしれません。

 格付けがなければどの債券が安全なのか容易に判断することができないため、多くの投資家が格付けの情報を頼りにしています。その点において格付け会社は世の中になくてはならない存在といえます。しかしリーマンショック直前には、業績拡大へのプレッシャーから格付会社が甘い審査を行い、結果として一部の債券の危険性について警鐘を鳴らすことができませんでした。

 このように認証ビジネスに対する信頼性というのは古くて新しいテーマですが、複数の認証事業者が競争し、適正に審査が行われているのか外部からもチェックすることでバランスを取っていく必要がありそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/25(土) 5:38
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