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日欧EPA 加速確認 急展開の恐れも 首相訪欧

3/23(木) 7:00配信

日本農業新聞

 安倍晋三首相が19~22日の日程の欧州訪問を終えた。欧州連合(EU)や各国首脳と相次ぎ会談し、日欧経済連携協定(EPA)交渉を加速し、早期の大枠合意を目指す方針を確認した。日欧は4月に東京で交渉会合を開く。農業分野では双方の隔たりは埋まっていないが、今後、政治判断で交渉が一気に加速する恐れもある。

 21日午後(日本時間同日夜)には、EUのトゥスク大統領、ユンケル欧州委員長とベルギーのブリュッセルにあるEU本部で会談し、日EUのEPA交渉について年内の大枠合意を目指す方針を確認した。

 首相は「自由貿易の旗を掲げ続けることが重要であり、戦略的パートナーシップ協定とともにできる限り早期に大枠合意し共に世界に範を示していくべき」と述べた。

 ユンケル氏は「交渉は最終ステージに来ている。今年のうちに克服できると確信している」と年内妥結を目指す考えを表明した。また、会談では、欧州側から「残された論点は難しいからこそ残ってはいるが、包括的でバランスの取れた合意を目指していく」との考えが示されたという。

 安倍首相は今回の訪欧で、EU首脳の他、ドイツ、フランス、イタリアの各国首脳と相次いで会談。「世界で保護主義の動きが大きくなっていく中で、日本と欧州が米国と共に協力して自由貿易の旗を高く掲げ続けなければならない」と強調し、日欧EPAの早期の大枠合意に向けて連携を確認した。

 日本がEUとのEPA交渉を加速させるのは、環太平洋連携協定(TPP)から脱退し、2国間交渉にかじを切る米国の焦りを誘い、TPPの枠組みに引き戻す狙いがある。英国の離脱問題を抱えるEU側にも自由貿易体制を維持し、欧州統合のほころびが広がるのを食い止めたい事情がある。

 ただ、日欧EPAを巡っては、EU側がチーズなど乳製品の市場開放を要求し、日本側は自動車の関税撤廃を求めており、なお双方の隔たりは残る。

 欧州は4、5月にフランス大統領選、9月にドイツ連邦議会選挙を控える。一方、日本国内では、生乳の流通改革を含む農業改革関連法案が成立するまでは、政府がEPA交渉で政治決断に踏み切るのは難しい。そのため、国会閉会後の7月ごろに交渉のヤマ場を想定する見方も出ている。

日本農業新聞

最終更新:3/23(木) 7:00
日本農業新聞