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なぜ2年ぶり代表復帰の今野がUAE戦のヒーローとなったのか

3/24(金) 15:31配信

THE PAGE

  日本代表を勝利に導いた殊勲者とは思えないような言葉の数々だった。

 昨年9月の屈辱的な敗戦のリベンジを果たし、2-0で勝利した敵地でのUAE戦。1ゴール1アシストの久保裕也(ヘント/ベルギー)の活躍もさることながら、2年ぶりの代表復帰にして、力強いプレスで中盤を制圧し、ダメ押しとなる2点目を奪った今野泰幸(ガンバ大阪)がマン・オブ・ザ・マッチということに、異論はないだろう。

 4-3-3システムのインサイドハーフとしてコンビを組んだ香川真司(ドルトムント/ドイツ)も、この34歳のベテランに賞賛を惜しまない。

「ふたり分と言ったら変ですけど、すごい運動量で、得点も取ったし、本当に凄かった。チームで一番素晴らしいプレーヤーだったんじゃないかと思います。今のサッカーに今ちゃんのスタイルはすごく生きると思います」
 ところが、チームメイトも認める大活躍とは裏腹に、試合後の取材対応で今野が口にしたのは「不安」や「焦り」といったネガティブな言葉だった。

 相手のキーマン、21番のオマル・アブドゥルラフマンについて聞かれれば「試合前からミーティングをたくさんしたけど、技術が相当高いので、すごく不安だった」と答え、チームメイトとの連係に関しても「普段一緒にプレーしていない選手たちとやるわけだから不安はありましたよ、どうなることかって」と返した。

 この日のプレーについても「もう出来すぎですね。奇跡です、奇跡」「たまたまです、マジでたまたま」と、謙遜している風ではなく、本気でそう思っている風に話した。

 後半6分に久保のクロスを胸でトラップしてGKの股を抜いて決めたシーンについても「フリーすぎてどうしようって逆に焦っちゃった。とにかく枠に飛ばそうと思ったら、何とかできました」と、本人は至って真面目に答えているが、大きな笑いを誘った。

 今野が自身の心境を素直に明かすのは、今回に限らない。

 カッコつけることなく、包み隠さずさらけ出すあたりが実直な今野らしいところだが、強く耳に残っているのが、2014年ブラジル・ワールドカップを終えたあとの告白だ。

「センターバックとして限界を感じましたね……。デカくて、スピードがあって、どんなルーズボールでも簡単に収めちゃうような選手がカウンターを仕掛けてきたとき、俺では抑えられないなって。怖いなとさえ感じました……」

 決勝トーナメント進出の懸かったコロンビアとのグループステージ最終戦。アドリアン・ラモスの突破を阻んでPKを献上すると、カウンターからさらに3失点を喫して1-4と惨敗。「世界で通用するセンターバックになる」との野心を打ち砕かれた今野は、かつて本職としていたボランチでの再起を誓った。

「また日本代表に選んでもらえるなら、今度はボランチとして勝負したい」

 再び中盤でのプレーを選んだ今野は、その年のガンバ大阪の三冠に達成に貢献すると、14年11月にハビエル・アギーレ監督率いる日本代表にも復帰。翌15年3月に発足したヴァイッド・ハリルホジッチ体制の初陣にも招集されたが、それを最後に日本代表から声がかかることはなかった。

 ところが今回、敵地での大一番を前に、好調と経験が買われて2年ぶりに代表でプレーする機会を得ると、長谷部誠が負傷離脱したこともあって、先発出場のチャンスがめぐってきたのだった。

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最終更新:3/24(金) 17:34
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