ここから本文です

《多国籍な教育現場》子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(7)=望まれる小中の協力体制

3/24(金) 7:21配信

ニッケイ新聞

 「『中1ギャップ』という言葉があるでしょ」。中学校で感じた違和感をぶつけると、西小の鈴木校長は少し考えてから切り出した。

 中1ギャップとは、小学校から中学校に進学する際うまく馴染めないことで、不登校やいじめに繋がっていくと言われている。

 文科省ではその原因として、小中の接続が円滑でないこと、具体的には学級担任制と教科担任制の違い、指導方法の違い、人間関係の違い、また、学習・生活面の問題共有不足などを挙げている。

 「中学校はもっと勉強が難しくなるのに日本語の支援はなくなるんですね」。

 「…そこはね、我々が取り組まなきゃならないところだね」。

 鈴木校長はあまり多くを語らなかった。

 中一ギャップを乗り越えるために期待されているのが、小中連携や小中一貫教育の推進だ。

 小中一貫になることで、小中間の連絡や協力体制が深まるだけではなく、学習指導要領や教育課程に関し、特例を活用した柔軟な指導が期待できる。

 長期的な計画やカリキュラムの中では、日本語支援もしやすく、外国籍の子どもたちの精神的な安定にも繋がるのではないだろうか。

 後日、再び清水中学校を訪れると、芹澤校長の顔が明るい。

 「来年度、取り出し指導の実現に向けて調整しているんです。西小学校にも視察に行きたいと思っています」。

 来年度は同中学校へ、西小から15人の外国籍の子が進学する予定だ。一気に増えることから、体制の見直しを考えているという。

 「地域コーディネーターさんにボランティアを依頼して、週に1、2日程度、放課後に教室を利用して日本語指導をするような計画もしています。しっかり整えて夏休み前後には始めたいと考えています」。前回にはほとんど聞かれなかった話に驚く。

 学校・保護者、地域住民からなる学校運営協議会でも相談したところ、「宿題を見るくらいなら手伝う」という声もすでに上がっているそうだ。

 「ぜひまた様子を見に来てくださいよ」。冷えた廊下に温かい声が響いた。(つづく、秋山郁美通信員)

最終更新:3/24(金) 7:21
ニッケイ新聞