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【F1】ホンダ長谷川氏「燃焼効率を上げた改良型パワーユニット、2カ月以内の完成を目指す」:オーストラリアGP

3/24(金) 22:13配信

motorsport.com 日本版

 オーストラリアGPが始まった。初日金曜日はフリー走行が2回。マクラーレン・ホンダの2台は大きな問題なく初日を終えた。バルセロナのウインターテストで頻発したトラブルは、その後の改良で姿を消したかに見える。

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 ホンダの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者に話を訊いた。

「今日は初日だったのでクルマのセットアップが作業の中心でした。基本的には大きなトラブルはなく、安定した1日でした。午前中の走行時間が短かったように見えたかもしれませんが、(ストフェル)バンドーンのクルマでは空力計測も行い、そのためのデバイスの脱着に時間を取られました」

 そう長谷川は語る。

「午後のセッションが始まったときにアロンソのクルマには床板(フロアパネル)がまだ付いていなかったので、すぐには走り出せませんでした。空力のセッティングをいろいろ変えるために取り外していたんです」

「2人のドライバーは異なるプログラムをこなしました。バンドーンに少し長く走らせようと言うことで、午後はロングランもやりました。でも、今日は予定していたプログラムは全部終わったと思います」

 しかしパフォーマンスについては、まだまだ満足いくレベルには達していないようだ。

「オーストラリア初日を終えた感想としては、結構厳しいというのが実感です。ストレートのスピードがトップグループに8~9km/hほど負けていましたから。このサーキットでそれだけ負けているというのは、他のコースへ行くとさらに厳しいでしょうね。パワー差が大きいですね」

「一番の問題は、絶対的なパワー不足です。パワーを上げるには燃焼効率を上げることが必要ですが、それには現在のPUのハードウエアを換えなければなりません。改良型のPUを開発していますが、完成にはまだ時間がかかります。2カ月以内には完成させて投入したいと思っています」

 ホンダがテストで悩まされた原因。それは振動による部分が大きかった。彼らはこの対策を行ってきたが、まだ完全とまではいかないようだ。

「振動(オシレーション=oscillation)は今日はそれほど問題ではありませんでした。ただ、シフトアップ時に少し出ていましたから、それを解決すればタイムは少しは稼げるかもしれません。ドライバーのコメントとしては、オシレーションは相変わらずだなあとのことでした。シフトアップの時にそれは必ず出るんですが、なかなか収まらないんです。問題はそこですね」

 今季モデルのパワーユニット、昨年との大きな違いのひとつは、MGU-Hのレイアウトにあるという。これにより重心が低くなり、コーナリング性能の向上に大きく寄与しているはずだと長谷川は打ち明けてくれた。

「今年からMGU-Hの配置を換えています。パッケージを変えたということです。でも、それでパワーが上がったということではありません。重心が下がったということですね。重心を下げることによってクルマ全体の運動性能向上への貢献は大きいと思います」

「昨年はコーナリング性能が低かったといわれていますが、MGU-Hの配置転換はその改良には大きく貢献していると思います。また、エンジンの重量も軽くなったので、バラストを効率良く積めるようになりました。でも、そのことは余りメディアが採り上げてくれないんですよ……」

 厳しいオフテストを過ごしたホンダ。まだその道のりは険しいものの、一歩ずつ着実に、性能向上へ向けた階段を上っているようだ。

赤井邦彦