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確認しておきたい、話題の「103万円の壁」とは!?

3/25(土) 17:40配信

ZUU online

2016年12月に決定された「2017年度税制改革大綱」によれば、配偶者控除の適用対象となる配偶者の年収要件は103万円から150万円に引き上げられることになる。ただし実施は2018年1月からの予定だ。

この改正により、いわゆる「103万円の壁」がどのように変更されるのだろうか。

■「103万円の壁」とは

わが国の税制では、配偶者がいる納税者は、一定額の所得控除を受けることができる。この控除は「配偶者控除」と呼ばれているが、配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下でなければ控除の対象とはならない。

ただし、配偶者の収入が給与のみの場合は、上記の38万円(基礎控除に該当)に65万円(給与所得控除に該当)を加えた103万円が基準となる。つまり、主婦(主夫)がパートやアルバイトをした場合、年間の給与収入が103万円を超えると所得が発生してしまい、配偶者控除の適用が受けられなくなるのだ。

そうなると、所得税・住民税を納める必要がある。このことが、俗に「103万円の壁」といわれているのだ。ただし、配偶者控除については、103万円を超える収入の場合、段階に応じて配偶者特別控除が適用されるため、103万円を超えたからといって、ただちに税負担が増えてしまうわけではない。

また、従業員に対して配偶者手当を支給している企業においては、手当の支給要件に、上記の103万円以下という配偶者の収入要件を定めている場合がある。そのため、103万円を超える収入を得ることにより、税控除だけでなく配偶者手当も受けられなくなる可能性がある。こうした不利益を被らないためにも、無理して働かず、103万円以内に収入を収めようとする主婦(主夫)が多かった。

ただし、上記はあくまで税金の話だ。社会保険には、また別の壁が存在する。公的年金制度である国民年金の第3号被保険者の要件は、年間収入130万円未満とされている。従って、パートやアルバイトであっても、年収が130万円を超えると社会保険に加入しないといけない。

社会保険に加入するということは、社会保険料を支払う必要がある。年収130万円になると、129万円まではゼロだった社会保険料を支払う必要性から、実質的な手取り金額は減ってしまう。配偶者控除の壁が「103万円」であるとすれば、社会保険の壁は「130万円」であるといえる。

■2017年度税制改正大綱でどう変わるのか

「2017年度税制改正大網」によって、配偶者控除の適用が受けられる年収要件が、103万円以下から150万円以下に引き上げられる予定だ。これは、103万円におさえて働くという主婦などの労働力を、さらに社会へ活用したいという政府の思惑と、配偶者として扶養を受けたいという主婦層のニーズを受けたものである。

配偶者の年収要件の引き上げは2018年からとなっている。このため、2017年も配偶者控除を受けたい場合は、いままで通りに年間収入を103万円以下におさえる必要がある。また、もともと配偶者特別控除が受けられる年収要件として141万円未満という基準があった。これを201万円まで段階的に適用していくよう引き上げられる。

ただし、38万円の配偶者控除を受けるためには世帯主の収入が1,120万円以下である必要があるなど、新たな要件が付されることとなった。

■多くは未確定、今後の動きに注意

103万円の壁は、配偶者控除だけでなく、企業が独自に支給している配偶者手当にも影響が及ぶ。年収要件が150万円に引き上げられたからといって、103万円の壁が解消して主婦(主夫)の労働市場への参加が進むかどうかは、今のところ判断が難しい。今後の政府および各企業の動きを注視していく必要がある。

主婦(主夫)層にとっては、配偶者控除の壁だけでなく、社会保険の壁も大きな問題だ。もっとも、自分自身で社会保険に加入することは、デメリットだけではなくメリットも大きい。どのような働き方が自分にとって理想的なのか、専門家の意見なども取り入れてじっくり検討する必要があるだろう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)

【注意事項】
※当記事は2017年2月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

最終更新:3/25(土) 17:40
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