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米国抜き発効探る 2国間警戒 5月会合 試金石に TPP参加11カ国

3/26(日) 7:00配信

日本農業新聞

 米国の環太平洋連携協定(TPP)離脱を受け、政府は米国を除く11カ国で協定発効を目指すことも視野に検討に入った。当面の間、米国抜きのTPPを先行させて米国の焦りを引き出し最終的に12カ国の発効を目指す。TPP署名国の間では、米国との2国間交渉への警戒感から米国抜き発効への支持が広がり、日本の主導力に期待が集まっている。5月にベトナムで開かれるTPP閣僚会合で、日本が主導して11カ国で明確な方向性を打ち出せるかどうかが焦点となる。

 政府は当初「米国抜きでは意味がない」(安倍晋三首相)として、あくまで米国を含む12カ国でのTPPを目指す方針だった。だが、2国間交渉にかじを切る米政権の翻意は容易ではない。そのため、政府内では「米国抜きのTPPの道を探ることで、米国の焦りを引き出す方が得策との判断に傾きつつある」(政府関係者)という。

 15日にチリで開かれたTPP閣僚会合に出席した越智隆雄内閣府副大臣は、24日の自民党会合で「米国抜きの11カ国でのTPPに言及する国もあった」と明かした。日本政府のTPP関係者によると、チリ会合に出席した国には11カ国で議論を進める雰囲気が「かなり高まっていた」という。

 これまでオーストラリアなどが米国抜き発効を支持してきたが、各国に「このまま様子見を続けていては、トランプ政権から2国間交渉に持ち込まれる」との警戒感が強まっているという。日本国内でも4月の日米経済対話を前に、農林議員を中心に、一層の農産物の市場開放を要求されかねない日米自由貿易協定(FTA)を回避するため、米国抜きのTPP発効を目指すべきとの声が大きくなっている。

 ただ、実際には、米国抜きの「TPP11」の実現はハードルが高い。TPPは米国の参加を発効要件としており、これを見直せば新たな協定として改めて国内手続きが必要になる。さらに米国が抜ければ利害バランスが崩れるため、交渉のやり直しも必要になる。こうした点を克服できるかが今後の焦点となる。

 TPP各国は5月の閣僚会合に向け、4月に首席交渉官レベルで準備会合を開き、論点を整理する。関係者によるとカナダで開催する方向で調整している。

 米国不在の今、日本にTPPのけん引役としての期待が集まるが、各国からは「日本の態度がはっきりしない」との不満もあるという。だが、4月には日米経済対話が始まる。テーマとなる貿易枠組み作りがどう発展するか見えない中、日本は明確な立場表明が難しい事情もある。

日本農業新聞

最終更新:3/26(日) 7:00
日本農業新聞