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柔道事故で120人死亡 学校教育に潜む危険に専門家「リスクと向き合うべき」

3/26(日) 13:23配信

AbemaTIMES

(C)AbemaTV

 近年、学校教育での危険に注目が集まっている。

 名古屋大学准教授で、学校リスク研究所を主宰する内田良氏はまず重症につながりやすいプールでの飛び込みについて「日本の学校のプールは溺れるのを防止するために浅めに作られている。普通に泳ぐのはいいが、飛び込むときに少しでも角度が深いと簡単に頭を打ってしまう。だから、そもそも日本の学校のプールでは飛び込みはしないほうがいい」。ただ現実の教育現場では手の角度を上にあげたら危険はないなどと、指導方法で問題を乗り越えようとしているという。

 それでも「ちょっとでも間違えると簡単に頭を打ってしまうのが日本のプールの構造的な問題。だから構造的に安全が確保されない限り、飛び込みはしないほうがいい」と注意を促した。

 また運動会での組体操についても「ここ10年ぐらいで巨大なものを学校が作るようになった。そこで崩れたり、上の子が落ちて骨折する事故がたくさん起きてしまう」。巨大なものはリスクが大きいため、低い段数にして組体操を学んでいくべきと指摘。学校教育の一環なのでアクロバティックなことではなく、全員で楽しみながら色々な力を身につけることが大事だという。

 子供たちだけでなく、教育者も大きな問題を抱えている。ブラック部活を例に出し内田氏は「まず先生の働き方の問題から考えないといけない。というのも先生は平日の夕方、土曜、日曜も毎日部活漬けになってしまう」。先生にとって部活はやるべき本務ではないとし、その部活にタダ働きのような形で時間を浪費。授業の準備ができない大きな負担につながっているとした。

「先生は教育者である前に労働者である。であれば休まなければいけない。生徒も休みのない生活を送っている。ブラック部活の問題は先生と生徒、両方の負担を軽くしないといけない」と説明した。

 そしてリスクに向き合うことで物事は改善するとし「例えば組体操でいえば、この1年で事故が激減しました。でも組体操をやらなくなったかというと、そうではない。低い段数で、もっと安全な組体操をやりましょうということ」。また柔道事故も30年で120人が亡くなっていたものの、そこに注目が集まると3年間で死亡事故はゼロになったという。ブラック部活に関しても国や教育委員会が対策を始めている。

 内田氏はこれまでも学校教育の問題点を指摘していたが、現場からの反発も大きいといい「部活も組体操も好きでたくさんやってきた先生がたくさんいる。『怪我がおきている』『やりすぎだ』と指摘すると『うるさい』と返ってくる。僕としては向き合ってほしい。それで苦しんでいる人がいるわけだから。組体操で怪我をし、何ヶ月も入院する。土日が潰れて部活動の指導がしんどい。そういった苦しさを減らしながら改善の道を探ってほしい」と話した。(Abema One Minute Newsより)

最終更新:3/26(日) 13:23
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