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ネット時代に“売れる”スターの条件 「街のスナック」が最強の理由

2017/3/26(日) 10:09配信

BuzzFeed Japan

エンタメの「民主化」

――なるほど、どこを「売れる」の基準にするかですね。

松田:地上波の連続ドラマに主演したらスターなのか? って話だよね。「ミュージックステーション」に出ているバンドマンや、テレビドラマに出て名前や顔はそこそこ知られてる俳優でも、実際はアルバイトで食いつないでいる人はたくさんいるわけで。

似たような話を最近違うところでも聞いて、例えば漫画家でも、商業誌でやらずに同人活動で食べている人がそれなりにいるんだってね。「自分が好きなものを好きなように描いて、読んでくれる人がいて、そこそこ儲かっているのでこれで十分」って。

一昔前は「少年ジャンプで連載したい」が誰もが目指すトップ・オブ・トップだったのかもしれないけど、ゴールの選択肢が増えてる。エンタメ全体がそんな風に「民主化」している傾向はあると思います。

メジャーとインディーズ、2つの市場ができている感じですよね。

テレビの世界だけがゴールじゃない

――となると、新時代のスターはどこを目標に置くのでしょうか。ここまでの話を聞くと、少なくともテレビではないような……。

松田:もちろん、テレビや映画を目指すのが悪いわけじゃもちろんないですよ。でも、大博打だよ、とは思います。そもそも、歌手も役者も世の中にそんなに数いらないですからね。

僕はテニミュの卒業生全員に「中途半端な気持ちならやめた方がいい」って必ず言ってるんです(笑)。他の道に行った方が絶対幸せだよ、人生1回しかないのにそんな分の悪い賭けある!? って。

キャラクターと原作の力を借りて、千秋楽まで走りきったところで、やっと役者としてスタート地点。そこから先が初めて“努力”ですからね。

ただ頑張るだけでもダメ、努力の仕方も含めて自分で考えないとダメ。やり方もゴールもいろいろあるはずなんです。まだ多くの人は売れた先に従来型のゴールを見ていると思いますが。

前田:そうですよね、そもそも例が少なくて想像しにくいですし。「売れる」の方法がどんどん多様化してるのは間違いないと思います。カリスマ性や虚構の姿ではなくて、親近感を感じてもらうファンの作り方ってこれからもっと大事になるんじゃないでしょうか。

松田さんが見ているところとは少し違いますが、僕はSHOWROOMを通じて、これまで家でおせんべいをかじりながらテレビでアイドルを見て「あんな風になりたいなぁ」と憧れていた普通の子たちに、新しくて楽しい職業や生き方を作ってほしいと思っているんです。

松田:「楽しく生きていってほしい」は僕もすごくわかるな。そうやってエンタメ自体の市場が大きくなっていけばいい。どっちが上とか下とかなくてね。

前田:YouTuberや実況主も含めて、ネットでエンタメを生業にできる人は着実に増えていくはず。そこからテレビや映画の世界に、従来の「スター」の世界に飛び出す人はもちろんいるでしょう。逆に「テレビなんてダサい」って価値観も出てくるかもしれないですよね。

松田:結局、自分が楽しまなきゃ仕方がないよね。全員がスーパースターを、誰もが知ってる有名人を目指す必要ってない。

――「夢がない話」と感じる人もいそうです。

前田:きっと、思い描く「夢」そのものが変わっていくんじゃないでしょうか。だから、新しい夢の形やステージを見せなくてはいけないな、とは思います。

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最終更新:2017/3/26(日) 10:09
BuzzFeed Japan

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