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【WBC】日米の野球に「差」はない― 青木の言葉に隠されたヒントと世界一奪還への道

3/26(日) 9:31配信

Full-Count

唯一参加のメジャー選手の重みある言葉「その国のオリジナリティがあっていい」

「王座奪還」という使命を持って第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦った野球日本代表「侍ジャパン」。準決勝で惜しくもアメリカ合衆国に1-2で敗れ、優勝の目標を果たすことはできなかった。第1回、第2回と連覇を果たした日本だが、前回の2013年第3回大会では準決勝でプエルトリコに黒星。今回は2大会連続の準決勝敗退となったが、日本が弱くなったというよりも、回を重ねるにつれて各チームのWBCに懸ける本気度が増し、日本を含めた各チームがレベルアップを遂げている結果ではないだろうか。

WBC各大会のMVPとベストナイン

 では、4年後に訪れる第5回大会に向けて、あるいは3年後の2020年にある東京五輪に向けて、日本が頂点に立つためにはどうしたらいいのか。第4回優勝アメリカや中南米チームに勝つには、何をしたらいいのか。準決勝が終わった後、今回の侍ジャパンでは唯一のメジャー選手だった青木宣親(アストロズ)の言葉にヒントが隠されているように思う。

 アメリカと日本の勝敗を分けた理由を聞かれた青木は、「今回も改めて思いましたけど、野球とベースボールの違いがありますよね」と話した。ただし誤解してはいけないのは、青木は「野球」が「ベースボール」に劣るとは考えていない。1点差で敗れたことについて「メジャーは素晴らしい選手が多いけど、日本の選手も負けていないというのが、この点差だったと思う」としている。違いのある「野球」と「ベースボール」が一発勝負でぶつかった結果、第4回WBC準決勝では「ベースボール」の良さが出た、という考え方だ。

「野球ってやり方がいろいろあるから、それを差だとは思いたくない。やり方次第で野球って勝てたりするもんですから、それを差だとは思いたくない。逆に向こう(アメリカ)にないものはあるわけですから」

「いいところはアメリカの真似をしたい。でも、根本の自分はぶれないように」

 最近は、日本の昔ながらの野球の指導方法や育成方法に、疑問を投げかけられることが多い。もちろん、根性論を小中学生に押しつけて未来ある才能を潰すことは間違っているし、勝利至上主義に走って子供たちから野球をプレーする楽しみを奪ってしまってもいけない。その一方で、今回優勝したアメリカや前回優勝したドミニカ共和国のやり方が全て正しいわけでもない。「野球」は「野球」として、日本人に合った形で発展していけばいいのでは、というのが青木の提言だ。

「日本流でいいと思います。僕らは日本人ですから、そこはベースボールになりきれない部分はある。元々はアメリカから野球=ベースボールっていうのは来たわけですけど、その国のオリジナリティがあっていいと思う。何もかも同じじゃなくていい。

 実際に自分がこっち(アメリカ)でプレーしていても、そういうことを思いながらプレーしています。いいところはアメリカの真似をしたい。でも、根本の自分はぶれないように、日本人だっていうことは、プレーをしても意識していることです」

 2012年にブルワーズ入りして以来、メジャーで6年目で5球団を渡り歩き、ワールドシリーズでのプレー経験も持つ青木。メジャーで生き残るために懸命にプレーしながら、ベースボールが持つ長所短所、日本の野球が持つ長所短所を肌で感じてきたからこそ、その言葉には重みがあると思う。

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最終更新:3/26(日) 9:47
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