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トランプ大統領がオバマケア代替法成立を断念、今後の政権運営厳しくなる?

3/28(火) 8:00配信

THE PAGE

 トランプ米大統領が、医療保険制度改革(いわゆるオバマケア)の代替法案の成立を断念しました。オバマケアの撤廃と新しい制度の導入はトランプ政権の目玉政策のひとつだっただけに、法案が実現できなかったことは、今後の政権運営に大きな影響を与えそうです。

オバマケアとはどんなもの?

 トランプ氏は選挙期間中から、オバマ前大統領が導入した医療保険制度について厳しく批判してきました。日本など多くの先進国では、国民全員が加入する医療保険制度が整備されており、保険料の滞納さえなければ、わずかな自己負担で病院にかかることができます。

 しかし、自分の身は自分で守るという意識の強い米国には、こうした国民皆保険制度は存在していませんでした。高齢者と低所得者向けにはそれぞれ「メディケア」「メディケイド」と呼ばれる公的医療保険がありますが、それ以外の人は民間の保険会社が提供する医療保険に自費で入らなければなりません。

 このため、人によっては高額の保険料を支払うことができず、保険加入を諦めるケースが出てくることになります。全米では約5000万人(6人に1人)が保険未加入と言われてきました。オバマケアはこうした人の多くを保険に加入させるための制度改革です。

一枚岩ではなかった共和党

 しかし自助努力を重んじる米国社会では、政府が国民を援助することについて強く反発する人が一定数存在しており、特にトランプ氏の支持層である保守系の人たちはその傾向が強いと言われます。こうした事情から共和党は以前からオバマケアの廃止を主張しており、トランプ氏も同じ主張を行ってきました。

 ただ、今回トランプ政権が提示した法案は、オバマケアの制度を一部残す内容だったことから保守派が強く反発。一方、共和党の穏健派は、保険に加入できない人が増え、低所得者の健康が脅かされるとして、法案そのものに慎重な姿勢を示していました。要するに共和党内部でもオバマケアに対する見解は分かれていたことになります。

政治的には極めて大きな失態

 トランプ氏は、こうした状況において半ば強引に採決に持ち込もうとしたことから、その手法に各派が反発し、結局は法案の採決に持ち込むことができなくなりました。

 これまでのトランプ政権は、多くの批判を受けながらも、トランプ氏のカリスマ性で物事を押し切ってきた面が多分にあります。今回、政権における目玉政策の導入を断念したことは、政治的には極めて大きな失態と言えます。場合によってはこれまで抑えられてきた不満が噴出し、難しい政権運営を迫られる可能性も出てきました。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/29(水) 5:33
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