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不変への憧れが日本を停滞させている - 神山健治×落合陽一 映画『ひるね姫』と未来予測

3/28(火) 17:20配信

SENSORS

3月23日に虎ノ門ヒルズフォーラムで行われた SENSORS IGNITION 2017のトークセッション『近未来社会予測 ~AI、ロボット~』では、「現代の魔法使い」と呼ばれる落合陽一氏、自動運転も題材となっている『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』が大ヒット上映中のアニメ界の魔法使いとも言える神山健治監督が登壇。モデレーターはSENSORS.jp編集長の西村真里子が務めた。

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■『ひるね姫』は観る人によって見た目が違う

トークセッションを行うのは初めてという神山監督と落合氏。「ニューヨーク国際子ども映画祭」から帰国したばかりの神山監督と、ちょうど当日にフランスで行われていた欧州最大のVRイベント「LAVAL VIRTUAL 2017」にてVRによる車椅子の自動運転「Telewheelchair」でTRANSPORT & MOBILITY部門を受賞した落合陽一氏。攻殻機動隊S.A.C.の最初の放送時に丁度中学生で、以来、神山監督のファンだという落合氏はすでに2回『ひるね姫』を鑑賞したという。セッションはそんな落合氏による自動運転の話題から始まった。


落合: 僕はずっと車メーカーと共同研究をやってきたので、『ひるね姫』を見てあまりにリアルだと思ったんです。取締役会の様子や、社員さん、工場の様子とか出てくるんですけど、「コレ行ったことあるよな」「オレ、ここでプレゼンして同じこと言われたことある!」とか、そういうような世界観がありました。今の日本の中で自動運転は重要なキーで、技術的な現実感もまさしくあの印象でした。

神山: いま社会で起きている一番大きな問題と切り結んだ作品を作るというのが僕のドラマツルギーとしての基本的なスタイルですが、今回、その大問題として日本の産業、特に日本の最大の成功体験である自動車とオリンピックを絡めてみたんです。『ひるね姫』は三世代の話で、自動車とオリンピックを成功体験として人生を送ってきた世代と、その成功体験を追体験しつつ行き詰まりを感じて打破しようとしている世代、そういう事と一切関わりが無いさらに若い世代というのを描いている作品で、それで何が見えてくるのか?という、自分自身で結論を模索した作品でもあるんです。

落合: そうなんです。子どもが見たときとオジちゃんが見たとき、『ひるね姫』は観る人によって見た目が違って超面白いです。

西村: 世代ごとにテクノロジーとか、何が起こるかというコトに対する切り取り方が違うのは、狙ってのことなのでしょうか?

神山: いままでは僕の世代的な目線を中軸に置いて作品を作ってきたんですけど、いま生きている個人、若い、社会にあまりコミットしていないぐらいの若い世代から物語をスタートさせて、最終的にそれがいまの社会と切り結んだときに、どういう化学反応が起きるのだろうか?という今までとは逆のアプローチをしています。

本来、映画って1つのテーマしか入れられないところを、『ひるね姫』は2.5ぐらい入れるというチャレンジもしている。なかでも、「テクノロジー」と「世代の対立」というのが大きな2つですよね。

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最終更新:3/28(火) 17:20
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