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駆除した獣「使い切れ」 ジビエ+アルファ ペットフード有望

3/28(火) 7:01配信

日本農業新聞

 野生鳥獣の肉(ジビエ)の利活用が進む中、課題となっているのが全部位のフル活用だ。広島県三次市の物産館「みわ375」は、自社で解体から商品化までを手掛け、精肉として扱いにくい部位は総菜や料理に、内臓などはペットフードに加工。1頭当たりの販売高を最大化させ、2017年度は販売高1000万円達成を目指す。

硬い部位、内臓も商品化 広島の「みわ375」解体→加工→販売

 同市は被害予防や捕獲など鳥獣害対策を講じるが、毎年3000万円前後の被害がある。「みわ375」は、鳥獣被害対策として13年にジビエ販売を開始。これまで解体作業と食肉加工は、隣町の業者に委託していたが、オリジナル商品を開発して販路を広げるには自前で解体、加工する必要があると、16年9月に加工処理施設を造った。

 クビやカタ、バラ、スジなどの硬い部位は物産館の食堂で煮込みや天ぷら、すき焼き、鉄板焼きで提供する。食道、肺、心臓、肝臓、アキレス腱(けん)など食用が難しい部位はペットフードに加工。1頭当たりの販売額を1万5000円から5万円以上に増やし、来年度は年間販売額1000万円を目指す。

 状態が良い体重40キロの鹿の場合、精肉として使うロースとヒレが2キロ、モモが約5キロ取れるが、これまでは硬い部位や内臓は捨てることが多かった。片岡誠代表は「用途一つで新たな価値を生める。1頭5万円以上の販売ができれば、採算の合う事業にできる」と話す。冷凍車や保冷設備も配備。同市三和町の猟友会などから引き取り、月に20~40頭を解体する。

 同県東広島市のドッグカフェ「オンジーハウス」は昨年から「みわ375」のペットフードを扱う。鹿肉を目当てに訪れる客も増え、ジャーキーを毎週買いに来る人もいるという。人気は、スジなど煮込み肉を挟んだハンバーガー(350円)。泉忠文店長は「鹿肉は低脂肪・高タンパクでミネラルも多く、大切な栄養源になる」と人気の理由を語る。

 三次市は「販路を広げ、事業の継続性が期待できる。農家の生産意欲向上につなげてほしい」(地域振興課)と期待する。

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最終更新:3/28(火) 7:01
日本農業新聞