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大阪で商店街フォーラム インバウンド市場にトライ

3/29(水) 15:15配信

THE PAGE

大阪で商店街フォーラム インバウンド市場にトライ 撮影:岡村雅之 編集:柳曽文隆 THEPAGE大阪

 大阪商工会議所主催の「商店街フォーラム・大阪」がこのほど、大阪市中央区の同会議所内ホールで開かれ、講演やパネルディスカッションで商店街の活性化策を討議した。テーマはじわじわと進む人口減少と、急成長するインバウンド市場。どちらも商店街の存亡に直結しかねないテーマだけに、全国から参加した約600人の商店街関係者らが真剣な表情で聞き入っていた。

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黒門市場の来場者は8割が訪日外国人

 小嶋淳司副会頭があいさつし、「消費動向に大きな影響を与える人口減少が予測される中、増加する訪日外国人をショッピング・ツーリズムの魅力で商店街に招き入れたい」と、開催テーマを説明。「元気なまちには必ず元気な商店街がある。商店街が元気になるアイデアやヒントを探しましょう」と呼びかけた。

 田中康仁流通科学大学准教授が、今後大阪で進行する人口減少の地域別予測などに関して講演。地域の商店街には商圏内の人口減少を想定の上、現在40代の団塊ジュニア、子育て世代、訪日外国人を重視する顧客戦略を提言した。

 訪日外国人でにぎわう黒門市場(大阪市中央区)からの報告もあった。山本善規黒門市場商店街振興組合理事長によると、来場者は2008年と比べて6割増加し、全体の8割以上が訪日外国人で、日々歳末商戦のような忙しさに追われているという。これから訪日外国人の集客に乗り出す商店街に対しては、トイレや無料休憩所の整備、店舗スタッフの語学力向上、体験型企画の充実などを助言した。

 大阪の専門学校で学ぶ留学生モニター隊が商店街を訪ね歩く商店街体験動画が上映された。留学生たちが和菓子やお茶、浴衣などに初めてふれ、店主らとの交流を通じて日本文化への理解を深めていく内容が興味深い。お好み焼きの作り方を鉄板に向かいながら教わる体験講座は大阪らしい展開だった。商店街の持ち味である対面販売やライブ体験が、訪日外国人もてなし力につながりそうだ。

ゲストハウスがあれば外国人がまちになじみやすい

 パネルディスカッションでは、商店街振興にかかわる専門家や商店街関係者が討議。東京・戸越銀座商店街の活性化を推進してきたU‐Design専務取締役の竹地直記さんは、洋菓子店の商品開発の際、地元女性たちとのコラボで成功した事例を挙げて、地域ブランディング確立の重要性を強調した。

 「甘さを控え、多少割高になってもすぐれた食材を吟味して。女性たちはお菓子職人にけっこう厳しい注文を出したのですが、商品が完成すると、真っ先に購入してくれたのは、女性たちでした。自信をもって薦められるお菓子ができたということで、贈答品として人気を得ます。パッケージにも工夫を凝らし、戸越銀座の歴史ストーリーなどを盛り込んだ。女性たちが全国へ帰省するたびに、宣伝部員役を引き受け、戸越銀座にはこんな歴史がありますと、戸越銀座の物語を全国へ広げてくれました」(竹地さん)

 外国人向けウエブマガジン「MATCHA」を手掛けるMATCHA社長の青木優さんは、商店街が訪日外国人を迎え入れる際、目標設定を明確化すべきと指摘した。

 「迎え入れたい顧客数の目標数値によって、情報発信などのアプローチが変わってくる。アジアからもヨーロッパからも来てほしいという声をよく聞きますが、もう少し絞り込む必要があります。同じアジアでも台湾とタイでは、国情がまったく違う。目標を明確に設定したうえで、タイならタイ人というふうに、国情に精通した外国人パートナーを獲得してほしい」(青木さん)

 東京・北品川の商店街などでゲストハウスを運営し、訪日外国人と地域の交流に貢献する宿場JAPAN代表の渡邊崇志さんは、ゲストハウス開業を目指す人材育成にも取り組む。ゲストハウスや民泊が地元にあれば、訪日外国人を商店街に招き入れやすい。渡邊さんは「ゲストハウスはまちになじむ手ごろなビジネスサイズであるため、地域の皆さんとのアナログな付き合いを通じて、物件紹介や資金調達などで応援してもらうことが多い」と、地域とゲストハウスの共存型交流の大切さを訴えた。

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最終更新:3/30(木) 5:32
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