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【森友学園】「忖度」という言葉について、日本語学者に聞いてみた

3/29(水) 17:20配信

BuzzFeed Japan

森友学園の問題を機に、出回りはじめたひとつの言葉がある。「忖度」だ。どんな由来があり、これまでどんな風に使われてきたのか。BuzzFeed Newsは、辞書編纂者で日本語学者の飯間浩明さん(三省堂国語辞典編集委員)に話を聞いた。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

伝統的なことば、忖度

国有地売買において官僚の「忖度」があったのか、なかったのかーー。国会の与野党の議論で日々飛び交い、報道される。籠池泰典理事長も記者会見で連発し、外国人特派員たちを大いに混乱させた。

Twitterでもたびたびトレンド入りをするようになった、この聞きなれない「ソンタク」という言葉。意味を確認するためなのか、「goo辞書」の検索ランキングでは1位(3月29日)にランクインしている。

そもそも、忖度とはどういう意味か。三省堂国語辞典を引くとこうある。

”(相手の気持ちを)おしはかること。推測。「意向をーする」”

「『忖』はりっしんべんで分かるとおり、人の心を推測すること。 『度』は、『たく』と読む場合は『はかる』ことです。つまり『忖』『度』ともに『はかる』で、特に『忖』は『心を推測する』という意味があります」

「忖度」という言葉について、そう語る飯間さん。由来については、このように説明してくれた。

「これは伝統的なことばです。中国古代の『詩経』にも出てくるので、『昔から使われていることば』と表現するのが最も妥当です。日本にも10世紀から例がありますが、それ以前に中国から入って来たものでしょう」

従来は「母の心を忖度する」「彼の行動の意図を忖度してみた」などと、「単純に相手の心を推測する」場合にも普通に使われていたという。

変わり始めた使い方

「忖度という言葉は非常に難しい文章語」と表現する飯間さん。そのうえで、「意味は同じでも、どういう場合に使うか、つまり用法が変わってきている」と説明する。

「最近になって、『上役などの意向を推し量る』場合に使う用法が増えたように思います。おべっか、へつらいというか。上の者に気に入られようとして、その意向を推測する。ちょっと特別な時に使われるようになった」

そういった用法で「忖度」が使われるようになってきたのは、ここ十数年の話だという。

飯間さんが集めた資料によると、「上役などの心を推し量る」という用法で「忖度」がつかわれているのは以下の例。いずれも2000年代に入ってからだ。

”「消費税の引き上げは避けられないが、いまは国民を刺激したくない。しかし、ほおかむりも無責任」。そんな首相の思いを忖度したような党税調。(「朝日新聞」社説、2006年12月15日)”

”その籾井氏が政策に関わるニュースに注文をつければ、どうなるか。権力を監視するジャーナリズムの役割が十分に果たせるのかといった疑問も浮かぶ。会長の意向を忖度し、政府に批判的な報道がしにくくなるのではないかとの不信感も出てくるだろう。(「朝日新聞」社説、2014年5月8日)”

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最終更新:3/29(水) 19:42
BuzzFeed Japan