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【森友学園】「忖度」という言葉について、日本語学者に聞いてみた

3/29(水) 17:20配信

BuzzFeed Japan

良い忖度と悪い忖度?

籠池氏は会見で、土地取引のスピードが上がったのは「忖度」があったからだ、としている。安倍昭恵夫人の秘書に問い合わせしたことをきっかけに、財務省の官僚が夫人の意向を「忖度」し動いた、という主張だ。

さらに、それは「悪いものではない」としつつ、学校建設が中断に至るまでの「逆の忖度が問題だった」などと語っている。

また、大阪府の松井一郎知事は今回の問題に関連し、「良い忖度と悪い忖度がある」と発言(THE PAGE 3/25)。

「政治家は国民の思いを忖度して政策をすすめていく」とし、安倍首相が森友学園の問題について、「悪い忖度ではなかったとはっきりいうべき」と述べた。

良い忖度、悪い忖度、逆の忖度……。ひとつの言葉に、さまざまな意図が込められるようになったとも見える。

「もともと忖度に良いも悪いもなかった。ただ人の心を推測するってことですから」と指摘する飯間さんは、こうも語った。

「役所や企業のシステムの中で、本来であれば良いものは良い、悪いものは悪いと判断しないといけない。しかし、『こんなことをすると社長が気を悪くするからやめておこう』など、論理性、合理性以外の要素が入ってしまう場合に『忖度が加わる』という使われ方をするのではないでしょうか」

必要とされだした言葉

そのような用法がここにきて拡大している要因を、飯間さんはどう見るのか。

「急にここ数年必要とされだした言葉なのでしょう。必要にならなければ、みんなが知っている普通の言葉を使えばいいわけですから」

「こういう森友学園のような事件のときに使える、適切な言葉がなかったのでしょう。難しい言葉だけれども、忖度を使うとちょうど良くなるということです」

この用法だけが注目されることには「違和感は持っていません」としつつ、こうも述べた。

「『上役の意向を忖度する』という使い方は、あくまで『忖度』の用法の一部にすぎません。ただ、マスコミで報道されることで知られるようになり、『勢力を拡大していきそうな用法』『みんなが使い始めそうな用法』だとは思います」

「一方で、『忖度』という言葉が汚れてしまった気もしますね。これから『もっと人の心を忖度しなさいよ』と言うと、悪いイメージになるかもしれない」

森友学園の問題を受け、次の辞書の改訂時には「忖度」の項目に、「例文を加えること」も検討しているそうだ。

「私たちの三省堂国語辞典の説明は、物足りないように感じました。『母の心を忖度する』という使い方以外に、例文を入れる必要はあるかもしれませんね」

どんな例文なのだろう。

「役人が政治家の考えを忖度する、かな。実例をよく見て決めるつもりです」

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最終更新:3/29(水) 19:42
BuzzFeed Japan