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青春パンクの草分的存在・175R、SHOGOが語る活動再開の理由

3/29(水) 18:01配信

MusicVoice

 【インタビュー】昨年6年ぶりに活動再開させたパンクロックバンドの175Rが、4月5日に、前作『JAPON』から7年ぶり、通算7枚目となるオリジナルアルバム『GET UP YOUTH!』をリリースする。フロントマンのSHOGOに実施したインタビューの前編では、活動休止から単身イギリスへ渡ったときのこと、ソロ活動から活動再開までの経緯を紹介した。後編では、新作『GET UP YOUTH!』に焦点を当てる。今作には、バンド結成当初のことを歌った「1999」や、亡き友人への想いが詰まった「シャナナ」などターニングポイントとなる事柄がテーマとなっている楽曲が収録されている。その中に込めたメッセージを語る一方で、一番こだわったのは“ジャケットの紙質”という意外性も。SHOGOならではの一風変わったこだわりが垣間見えた。

「結果を見せるしかない」と、その時は耐えた

――アルバム2曲目に収録されている「これから」は去年12月に先行して配信されましたが、この曲が最初にできた?

 曲ができたのは最初ではないんですけど、歌録りの順番で言うと最初です。最初に録り始めた曲は歌詞が書けなくて。何曲か録っていていくなかで、これはスッと歌詞が書けました。急遽決めた事なんですが「この曲を先行で出しちゃおう」という事になって。歌詞が活動再開のメッセージになっていましたので。

――まさにバンドを続けていくという決意表明の楽曲ですよね。

 そうですね。「活動再開します」といっても同窓会みたいになるのが嫌で、活動再開するのならしっかりとしたアルバムを作りたいという気持ちがありまして、その中で生まれた曲でもあります。とにかく新しいものを活動再開と共に見せていこうという事で、過去の古い曲と同時に最新のものも出したという気持ちが合わっています。

――ファンの反応はどうでしたか?

 ありがたい事に喜んでくれました。デビュー、ブレイクした時期に青春パンクやメロコアと色々と言われたところから離れたいと思う事もありました。僕の中でも一周したんですよね。その中でもう一回、メロコアみたいなものも聴いたり、やりたいと思えてから作った曲です。

 久しぶりに聴いたリスナーも、学生時代に聴いた方は社会人になっていたりもするし、ちょうど良いタイミングで。自分にハッパをかけたような歌詞が「また背中を押してくれた」という声もけっこう多かったので良かったと思っています。

――175Rは“青春パンク”というジャンルを作ったと言っても過言ではないかと思いますが、その“呪縛”のような事はありましたか?

 ありがとうございます。“青春パンク”と呼び出したのはきっと、CD屋さんなどではキャッチコピーが必要だったり、そういった事でもあると思うんです。僕もCD屋で働いていた事があるので、ジャンルなど、お客さんが手に取りやすいようにするという事は理解できるんです。

 でも「青春パンク=幼稚なもの」という風に、どこか斜に構えて見る人達も多かったんです。「青春って言われてもね」という人もいるじゃないですか? 僕は人生のテーマが「ハッピーライフ」だから、青春も凄く楽しかったし、それがずっと続いているような感じです。何かでまとめられるのが嫌で、そういうバンドと共演するのもどこか敬遠していた自分もいたりするんです。だから175Rは基本的にワンマンをやり続けていたという事もありました。

――今作は1曲目から13曲目まで一つのコンセプトを感じられます。ストーリー性があるというか、例えば「1999」は現在のバンドメンバーになってからの事を歌っていたりしますし、歴史的な部分も感じられるアルバムという印象を受けました。

 そうですね。「1枚目」という言い方をしていますけど、とは言え経験値はだいぶあるので、それを振り返れるタイミングにきたのかなという気はしますね。

――「1999」の歌詞の<お前らなんかと貶され いつか見てろと拳握った>という部分がありますが、過去にそういった事はあったのでしょうか?

 僕らが当初所属していたのは、北九州のライブハウスの事務所でしたが、北九州は色んなバンドが出ている土地です。しかも、ちょっと玄人(くろうと)受けするバンドが多いんですよ。先輩だとモーサム・トーンベンダーとか、もっと上だとナンバーガールもそうですね。

――玄人受けする渋い感じのバンドですね?

 そうです。僕らの時もベースとドラムとキーボードという変わった編成のHi-5というバンドがいたり、SCHOOL GIRL’69というバンドがいました。当時僕らは同じシーンにいて、ライブハウス側はそういう「玄人受けするバンド」を好むわけなんです。

 その事務所内で初めてリリースする時に打ち合わせをするんですけど、ライブハウス側の方が「お前らそんな売れるわけないんだから、真剣に打ち合わせしてるんじゃねえ」みたいな事を言ったんですよ。ふざけんなと思ってキレそうになったんですけど「結果を見せるしかない」と、その時は耐えました。

 結果、オリコンインディーズチャート1位になって、僕らも事務所も「ウォー!」となって。その事務所には2004年まで所属していましたが、やっぱりその時に悔しいと思った事が…。僕しつこいのでずっと忘れないんですよ(笑)。

――反骨精神ですね。

 その当時は、メロコアと言ってもブッキング担当の大人の人達にはきっと分からなかったし、「パンクと言えば鋲(びょう)が付いてて…」みたいな感じだったと思うんです。

――往年のスタイルですね。

 そうです。「メロコアって何だよ」と馬鹿にしていた部分もあるだろうし、特に僕らは、その当時はジャンルで言ったらよく分からない感じで。メロコアバンドではないし、ただのロックでもないし、スカでもないし、というように僕自身でもよく分からないので。

――それこそ「175R」というジャンルですね。

 そうなんですよ。英語で歌うしバラードも歌うし、というバンドだったので、「売れるわけないよ」と思われたりしたと思うんです。けど、やっぱりその時に全国の人達が買ってくれたおかげで今があります。そこは自分も自信を持ちたいと思っています。

――「1999」は曲と歌詞の合わさり具合が絶妙で、聴いていて「そうだったんだ」と思いました。それと、SHOGOさんの歌は歌詞を見なくてもすごく言葉が入ってくるんです。

 それもよく言われるんです。ライブでも「聴き取りやすいボーカリストNo.1」と言われた事がありまして。だから間違えるとすぐバレるんですよ(笑)。

――ごまかしが効かないんですね(笑)。

 分かんないかなと思って「ゴニョゴニョォ!」とか言ったり、いい加減な文章を当て込んだりするんですけど、バレちゃうんですよね。

――滑舌が良いのか声の抜けが良いのか、色んな要素がありそうですね。

 声が変わっているんですよね。舞台でも「声がドーンと出てくるから抜ける」と言われます。

――声が埋もれないんでしょうね。

 だから嫌いな人は本当に不快だと思います(笑)。好きか嫌いかどっちかでしょうね。だからTVで歌が流れると僕だとすぐ分かるらしいんです。

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最終更新:3/29(水) 18:01
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