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「スキルのある人材確保の難しい国ランキング」1位は若干意外なあの国

3/30(木) 6:10配信

ZUU online

世界33カ国のスキル(技術・能力)格差を測定した「国際スキル指数2016」から、日本は世界で10番目、アジアで最も「スキルのある人材確保の難しい国」ということが判明した。

順位とスコアが高いほどスキルのある人材と市場の需要の差が大きいということになるが、2012年と比較すると難易度が0.7ポイントも高くなっている。しかし2015年からは0.1ポイント減、2013年からは0.6ポイント減と若干ではあるが改善の兆しも見られる。

■年代、性別によって拡大する日本のスキル格差

世界的に深刻化している賃金格差の原因のひとつとして、スキル格差にも焦点が当たっている。労働力や生産力の低下をまねくスキル不足解消は、継続的な経済成長を促進するうえで重要な課題である。

GSIは問題解決に少しでも貢献する意図で、英人材会社、Haysとアドバイザリー研究機関、オックスフォード・エコノミクスが2012年から共同作成しているものだ。

「教育制度」「労働市場への参加」「労働市場の柔軟性」「人材のミスマッチ」「総体的な賃金圧力」「専門性の高い産業における賃金圧力」「専門性の高い職業における賃金圧力」という7つの項目から各国の労働市場を分析し、専門スキルをもつ人材の需要状況を割りだしている。労働市場の均衡が最適な状態とされるポイントは5.0だ。

日本は「人材のミスマッチ(9.8)」が非常に高く、企業が人材に求めるスキルと現実の求職者のスキル度に大きなへだたりがあることがわかる。そのため「総体的な賃金にかかる圧力(8.2)」や「専門性の高い職業における賃金圧力(7.1)」が増している。

OECDが2015年に発表した同様のレポートを見てみると、日本のスキル格差は年代に起因するものかと思われる。日本のオーバー・スキル(市場の需要以上の技能)率が0.002であるのに対し、アンダー・スキル(市場の需要以下の技能)率はマイナス0.010ということは、平均的には中間層が多いことになる。

しかしこの数字は年代に大きく左右される。日本では若年層(25歳から34歳)のオーバー・スキル率が0.022と他国よりもはるかに高いが、高齢層(55歳から65歳)はマイナス0.115と極めて低い。また若年層のアンダー・スキル率はわずか0.007だが、高齢層では0.087まであがる。女性のスキル格差は0.035と大幅に開いており、アンダー・スキル層が圧倒的に多い。

■水準以上の能力や技能を持った人材の割合、米国は日本の16分の1

スキル格差が最も激しいスウェーデンや米国ではこの差がさらに広がる。米国ではオーバー・スキル率がマイナス0.028と日本の16倍も低く、アンダー・スキル率がほぼ2倍の0.012。雇用市場の拡大や専門性の高い産業における実質賃金の上昇が見られるスウェーデンでは、今後企業間で求める人材の争奪戦が過熱し、労働市場にさらなる圧力をかけると予想されている。

Hays の調査対象になっていない韓国は、オーバー・スキル率はマイナス0.008だが、アンダー・スキル率はゼロだ。

総体的にマレーシア以外のアジア圏ではスキル格差が徐々に改善されており、特に中国は労働市場の需要・供給面で比較的バランスがとれた状態に近づきつつあるように見える。労働市場の柔軟性も高い(8.3)。経済の失速や好調な雇用市場などがスキル格差の改善に貢献したと、Haysは分析している。

日本は長期間にわたる失業率の低下や高等専門産業の賃金縮小が、わずかながら格差を引きあげた。

■スキル格差の大きい30カ国

30位 中国(4.3ポイント/2015年比0.4減)
29位 イタリア(4.4/0.4増)
28位 香港(4.5/変動なし)
25位 シンガポール(4.7/変動なし)
25位 チェコ共和国(4.7/0.2減)
25位 チリ(4.7/0.1減)
22位 アラブ首長国連邦(4.8/変動なし)
22位 ポーランド(4.8/0.1減)
22位 インド(4.8/0.2減)

20位 マレーシア(5.1/0.3増)
20位 オーストラリア(5.1/ 0.1増)
19位 ニュージーランド(5.2/0.1増)
17位 カナダ(5.4/0.3減)
17位 ブラジル(5.4/0.4増)
16位 フランス(5.5/0.2増)
15位 メキシコ(5.6/変動なし)
13位 ポルトガル(5.7/0.2減)
13位 オランダ(5.7/1.0増)
12位 デンマーク(5.8/0.8増)
11位 ロシア(5.9/0.1減)

10位 日本(6.0/0.1減)
8位 ハンガリー(6.1/0.2減)
8位 コロンビア(6.1/0.2増)
7位 英国(6.2/0.1増)
5位 アイルランド(6.3/0.6増)
5位 ドイツ(6.3/0.1減)
3位 スペイン(6.5/1.0増)
3位 ルクセンブルク(6.5/0.4増)
2位 米国(6.6/0.3減)
1位 スウェーデン(6.8/0.1増)

(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

最終更新:3/30(木) 6:10
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