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座って通勤?在宅勤務?鉄道会社の座席指定サービスの狙いは?

3/31(金) 9:42配信

THE PAGE

 首都圏の鉄道各社が相次いで通勤客向けの有料座席指定サービスを導入しています。通勤がラクになると歓迎する声がある一方、通勤ラッシュそのものが一向に改善されないという問題も残っています。日本の通勤事情は今後、どうなるのでしょうか。

 西武鉄道は3月のダイヤ改正から、指定料金を払えば座って通勤ができる「Sトレイン」の運行を開始しました。一両につき両開きのドアが4つという、いわゆる通勤電車型の車両を用いますが、クロスシート(進行方向に向かって座席が配置される形式)とロングシート(窓を背にして座席を配置する形式)の切り替えが可能となっており、Sトレインで運行する際にはクロスシートの状態となります。1編成に1カ所トイレが設置され、内部にはおむつ交換台が装備されているほか、窓側の座席には電源コンセントがあるのでスマホの充電などに使うことができます。平日の運転区間は、西武池袋線・東京メトロ有楽町線の所沢-豊洲で、座席指定料金は510円。朝は上り1本、夕方以降は上下3本ずつを走らせます。

また、東武鉄道も4月のダイヤ改正から通勤時間帯の着席列車(特急)を新設するほか、京王電鉄も2018年春から座席指定列車の運行を開始する予定です。

 快適な通勤を提供する新しいサービスが登場する一方、通勤ラッシュそのものはなかなか解消されません。2015年における東京23区の昼間人口は1183万人(推計)となっており、夜間の人口とは270万人も差があります。近年、都心回帰の傾向が強くなり昼と夜の人口差は縮小していますが、東京圏における人口の絶対値は増えています。それに対して鉄道のインフラはあまり拡大していませんので、通勤ラッシュは激しくなるばかりです。

 政府は働き方改革を推奨しており、大手企業を中心に在宅勤務の制度やシステムを導入するところが増えてきました。在宅勤務や時差出勤が定着すれば、わざわざお金を払って着席列車に乗る必要はありませんから、むしろこうした制度の拡充を進める方が通勤ラッシュの緩和には効果があるでしょう。

 鉄道各社がこうした着席サービスに力を入れるのは、もう少し先のことを見据えているからです。以前から人口減少問題が叫ばれていますが、ここ10年における日本の人口はどちらかというと横ばいに近い状況で推移していました。人口減少が本格化するのはむしろこれからであり、鉄道各社は定期券収入の減少という大きな問題に直面することになります。より高い料金を取ることができる座席指定サービスは、利用客減少を穴埋めするための有力な手段なのです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/1(土) 5:37
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