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自分年金「iDeCo」積み立てるほど損失が発生するのはどんな時?

3/30(木) 18:26配信

ZUU online

「株や投資信託をいつ購入したらいいのだろう」と購入タイミングで悩み、購入をためらった経験がある人は少なくないだろう。

株式や投資信託は常に価格が変動する金融商品である。購入タイミングによっては利益が発生する場合もあれば、損失を被る場合もある。

2017年1月から、個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo、イデコ)に20~60歳のほぼ全員が加入できるようになり、その活用に注目が集まっている。

確定拠出年金は、従来の国や企業が将来の年金額を約束している確定給付の年金制度と異なり、加入者自身が投資信託や預金で毎月掛け金を積み立て、資産を運用していくもの。

確定拠出年金では、投資信託の売却益や預金の利息等、運用中の利益はすべて非課税になる他、支払う掛金は全額所得控除になる等税制上のメリットばかりが強調されているが、肝心の投資先の金融商品は自分で選び、運用を行わなければならない。将来支給される年金額は運用結果次第になるため、どの金融商品で、どのように積み立てを行えば、将来の年金額を増やすことができるかは悩ましいところ。

株式や投資信託の購入タイミングに悩む場合には、一定額を定期的に購入する、いわゆる積立投資を行うことが可能だ。

■ドルコスト平均法とは?

積立では定期的に買付を行うため売買タイミングに悩む必要がなくなり、ドルコスト平均法という投資手法を活用できる。ドルコスト平均法とは、一定額を定期的に購入していく投資手法だ。もちろん、積立運用の確定拠出年金はもちろんのこと、株式や投資信託を買い増しする場合もあるので、積立投資の仕組みをしっかりと理解したい。

株式や投資信託の価格は常に変動している。ドルコスト平均法では、価格の変動に関係なく、定期的に一定額を買い付けていくため、価格が安い時には多く買うことができ、価格が高い時には少しだけ買うことができる。高い時にも安い時にも継続的に買い付けることで、購入単価を平均値にならしていく=低くする効果が期待できる。また、自動で買い付けしてくれるため、いつ買えばいいのかで悩む必要がなく、心理的な負担が少ない。

購入後に価格が上昇した時には利益が発生する。最初に買った価格より購入単価は高くなるが、買い増しした金額よりも安く抑えられる。反面、購入後に価格が安くなれば損失が発生する。購入単価を安く抑えられる効果は期待できるが、さらに価格が値下がりすれば損失は拡大する。購入単価を安くできたとしても、必ずしも利益につながるわけではないことを肝に銘じておきたい。

具体的に考えてみよう。例えば1回目の買い付けでは、株価1万円の時に100株買い、2回目では2万円で100株買った場合、1株あたりの価格は上昇して1.5万円と安くなる。現在の株価は2万円のため、購入単価は上昇したが、利益が発生する。

反対に、1回目では株価2万円で100株買い、2回目では1万円で100株買った場合、1株あたりの価格は1.5万円に引き下げることができたが、現在の株価は1万円である。つまり、平均単価を安くすることはできたが、それ以上に現在の価格が安くなった場合には、いくら平均単価を引き下げても損失が発生する。

つまり、ドルコスト平均法を利用して積立投資を行う時、価格が高く推移する場合には購入単価を低く抑えることが可能になるので、メリットを受けられる。しかし、価格が安く推移する場合には購入単価を低く抑えることは可能だが、それ以上に価格が安くなれば損失が発生し、時には損失が拡大する恐れも出てくる。

■ドルコスト平均法を使いこなそう

ドルコスト平均法を使った積立投資なら安心というイメージがある。それは価格が上昇する場合には当てはまるが、価格が下落する場合には当てはまるとは言えない。さらに、積立と言うと、どうしても積立貯蓄を思い浮かべがちで、資産が増えているような錯覚に陥りやすい。積立投資では、自ら積み立てた金額が利益がでる状態なのか、それとも損失が発生している状態なのかを必ず確認したい。

せっかく購入単価を低く抑えられても、損失が発生していては元も子もない。損失の拡大を回避する方法はないのだろうか。

自動的に積立が行われる場合は、損失を回避する対策を取ることは難しい。マーケットが芳しくないからと言って機動的に投資先や積立額を変更できないからだ。始めるタイミングが肝心となるので、価格の変動を不安に思う場合にはまずは少額から始めてみることをおススメする。

一方、積み立てるタイミングを自分で選べる場合には、損失の拡大を回避できないわけではない。「投資する=買い増しを行うタイミング」を自分で調整できるのであれば、価格が底を打ったことを確認してから買い増しを行うことで、購入した後に価格がさらに下がる事態を避けることができる。

つまり、ドルコスト平均法というよりも、安い価格で買い増しを行うことで平均単価を下げる、ナンピンと同じように取引タイミングを考えて取引を行うのだ。

積立投資なら、ドルコスト平均法を利用して投資を行うことができるから安心と考える人は多いかもしれないが、積立投資は積立貯蓄ではないので元本割れの恐れもある。利益が発生するか、損失が発生するかは、投資した時点では誰にもわからない。

話題の個人型確定拠出年金でも、投資先やその時の投資環境によっては、積み立てれば積み立てるほど損失が発生する場合もあるだろう。積立投資の仕組みをしっかりと理解して、資産形成の一手法として活用していきたい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、メルマガ発行(http://yokoyamarika.com/3_hp1)、講演活動、株塾を行う。

最終更新:3/30(木) 18:26
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