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生命保険、じつは老後の保障には不向き 生保会社社員が選ぶ保険とは?

THE PAGE 4/18(火) 13:10配信

 前回・前々回と、保険をよく知る保険会社の人たちは、市場で人気がある「医療保険」や貯蓄商品などに加入したがらないことをお伝えしました。

【連載】元保険営業マンが今だから話せる「保険の真実」

 では、彼らはどんな保険に入っているのかというと、「団体保険」に加入していることが多いです。団体保険とは、特定の企業や業種・企業グループに所属する人たちに販売されている格安の保険です。一般の個人向け商品より3~5割くらい安いことも珍しくありません。

保険をよく知る人たちが入っている保険は、なぜ安いのか?

 団体保険の保険料が安いのは、コストがかかっていないからです。職場で配布するパンフレット兼申込書などにより加入者を募っているので、営業担当者や代理店による対面販売に比べ、販売手数料などが抑えられますし、大量広告などにかかる経費も発生しません。

 保障内容はシンプルで、死亡・入院・三大疾病等の保障額に応じた保険料が性別・年齢別に記載された一覧表から、各自が必要だと考えるコースを選ぶだけです。各種の特約を満載した保険などとは違い「担当者による説明が不要な保険」なのです。

 特徴はほかにもあります。一生涯の保障ではなく、65歳・69歳までといった期間限定の保障です。貯蓄性もありません。このような保険で、彼らは子どもが自立するまでの一定期間、あるいは定年まで、それなりの額の死亡保障を確保し、ほかの保障にはさほどこだわらない入り方をしています。

 顧客には、死亡・医療・介護・貯蓄など、様々な目的に応じて、幅広く、生涯に渡る保険の利用をすすめているにもかかわらず、保険会社の人たちの“自分用の保険”は、必要最小限の利用にとどめているのです。

手厚い保障は安心だけど高くつく 生命保険、医療保険に悩んだら「自動車保険」を参考にする

 言行不一致を責めるより、学びたいのは「巨額のお金が必要になる事態のみ保険に頼る」という考え方です。

 じつは一般の人が、同じ考え方で利用している保険があります。「自動車保険」です。自動車保険では、事故で人を死に至らしめた場合などの賠償保険金額に上限を設けず「無制限」にします。数千万円では済まないこともあるからです。そのかわり、中古で買い替えても数十万円くらいの車では、「車両保険」に加入しないこともあります。車両に保険をかけるにしても、10万円までの修理費は自己負担にするという条件を付けて、保険料を抑えたりします。

 とても合理的な選択がなされている例だと思います。「医療保険」で「日帰り入院でもお金がもらえるほうが良い」といった判断をするケースとはずいぶん違います。保険の仕組みを利用するには、保険料というコストがかかるので、たとえば10万円単位の自分で用意できる金額については、自己負担することにしているのです。保険会社に明るい保険会社の人も同じように考えています。100万円を自分の口座から出せる人は、診断時に100万円が支払われる「がん保険」への加入に執着しないのです。

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最終更新:4/22(土) 5:49

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