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リニア中央新幹線、神奈川県で起工式 貨物列車活用、最長トンネルも

3/30(木) 10:50配信

乗りものニュース

品川駅から相模川まで地下を走行

 中央新幹線の神奈川県における起工式を2017年3月30日(木)午前、JR東海が川崎市宮前区で実施しました。品川駅(東京都)と名古屋駅(愛知県)のあいだで建設が進められている中央新幹線。神奈川県はその起工式が実施された、山梨、東京、長野、岐阜、愛知に続く6つ目の都道府県になりました。中央新幹線は静岡県も通過しますが、そこで起工式は行われていません。

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 500km/hで走る超電導リニアモーターカーを用いた中央新幹線は、品川駅から、地下40mより深い大深度地下を行く長さ約37kmの「第一首都圏隧道」で神奈川県川崎市へ入り、東京都町田市を通過したのち、再び神奈川県に入って、そのまま橋本駅(相模原市)付近の地下に設けられる神奈川県駅(仮称)へ到達。そこから今度は長さ4km弱の「第二首都圏隧道」が続いて、品川駅よりおよそ42kmの地点にある相模川橋梁付近で、地上に顔を出します。地下にある品川駅を出て、初めて見える地上の風景は神奈川県の相模川付近です。

 中央新幹線は、神奈川県では川崎市と相模原市を通過。同県内の路線延長は39.4kmで、うちトンネルが38.1km、地上部が1.3kmのため、大部分で地下を行くことになります。また神奈川県内には駅と車両基地、変電施設、保守基地、保守用車留置施設が1か所ずつ、そして非常口が都市部に5か所、山岳部に4か所設けられる予定です。車両基地の場所は相模川の西側、相模原市緑区鳥屋が計画されています。

 品川駅と神奈川県駅(仮称)を結ぶ第一首都圏隧道は、建設が進んでいる中央新幹線の品川~名古屋間で最も長いトンネルです。ちなみに、山梨・静岡・長野県をまたぐ南アルプス隧道は長さ約25km。中央新幹線の品川~名古屋間は9割近くがトンネルです。

リニア中央新幹線建設に在来線貨物列車を活用

 中央新幹線の神奈川県における起工式は、川崎市宮前区での梶ヶ谷非常口及び資材搬入口の新設工事にあたって実施されました。この非常口より、土を削りながら進む鋼製の筒(シールドマシン)を入れ、大深度地下に、リニア品川~名古屋間最長の第一首都圏隧道が掘られていきます。地上と地下を結ぶ立て坑をまず建設で使い、のちに非常口や換気口とする形です。第一首都圏隧道の直上に設けられる梶ヶ谷非常口は、直径およそ50m。また、資材搬入口は直径およそ30mで、こちらは地下に設けられる保守用車留置施設に接続。開通後における中央新幹線の維持管理などにも使われます。

 JR東海によると、地下40mより深い場所でのトンネル掘削では、地上へ騒音や振動の影響はほとんどないとのこと。万が一、こうした大深度地下を行く長大トンネルの途中で列車が止まった場合、乗客は車内から、線路の下にある区画された通路へ避難し、最寄り駅もしくは非常口へ移動、地上へ出るそうです。

 また梶ヶ谷非常口及び資材搬入口は、JR武蔵野線の梶ヶ谷貨物ターミナル駅付近に存在。工事で発生した土は、在来線の貨物列車を活用して臨海部などへ運ぶ計画になっているのも特徴です。大気質や交通への影響を低減できるほか、ふた付きのコンテナを使うため、土が輸送中に飛散することもないといいます。

「フジテレビの記者だった30年前、宮崎のリニア実験線を取材したことがありますが、なかなか実現しないため、夢の夢かと思っていました。しかしいよいよ現実になり、感慨深いです。神奈川県駅につきましては、降りたくなるような駅の開発を相模原市と目指します」(神奈川県 黒岩祐治知事)

「武蔵野線」というと一般的に、旅客営業を行っている府中本町駅(東京都府中市)と西船橋駅(千葉県船橋市)のあいだを指しますが、あわせて府中本町駅と鶴見駅(横浜市鶴見区)を結ぶ“貨物線”区間も存在。「武蔵野貨物線」などと呼ばれており、梶ヶ谷貨物ターミナル駅があるのは、この武蔵野貨物線区間です。

恵 知仁(鉄道ライター)