ここから本文です

LEGO BIG MORL 想い続けてきた新木場での夜を詳細レポート/ライブレポート・セトリ

4/1(土) 3:30配信

エキサイトミュージック

 
■LEGO BIG MORL/【LEGO BIG MORL 10th anniversary SPECIAL LIVE】ライブレポート
2017.03.28(TUE)at 新木場STUDIO COAST
(※画像8点)

【この記事の関連画像をもっと見る】

憧れの場所で誓った「11年目も大丈夫です!」

バンド結成10周年イヤーを駆け抜けてきたLEGO BIG MORLが、その締めくくりであり、11年目へ向かうライブ、【LEGO BIG MORL 10th anniversary SPECIAL LIVE】を結成日である3月28日に新木場STUDIO COASTにて開催した。

昨年の6月22日に自身初のベストアルバム『Lovers, Birthday, Music』をリリースし、その日に今回のライブを発表。STUDIO COASTという会場は、メンバーにとってはデビュー前からずっとここでやりたい、と憧れていた場所であり、この一年、すべてはここへ向かうためと言っても過言ではないほど、この日を目指して活動をしてきた。それだけに、入口をくぐった瞬間からメンバーのこだわりが装飾などにも見受けられ、11年目の誕生日をファンと祝うためのパーティー会場のような様相でもあった。だが、一歩ステージのあるスペースに足を踏み入れると、そこは翌日、29日に発売されたアルバム『心臓の居場所』の世界観をモチーフにしたかのように、一面真っ赤な照明で染められていて、SEは音楽ではなく、心臓の鼓動が響いていた。そして、その音が徐々に大きくなって行くと、照明に青が混じって行き、動脈と静脈とが鼓動を打つ場所、今、この場所こそが“心臓の居場所”だと言っているような演出を経て、アサカワヒロ(Dr.)、タナカヒロキ(G.)、ヤマモトシンタロウ(B.)、カナタタケヒロ(Vo.&G.)の順でLEGO BIG MORL の4人がステージに現れた。

ライブはその鼓動からつながるように、煌びやかなループするフレーズから始まる「end-end」でスタート。10周年ツアーが始まった昨年1月に、10周年イヤーを宣言するような位置づけでリリースされたこの曲。この一年間ライブで鳴らされ続けて来た曲でもあり、終わることで、次の終りへと向かう何かが始まるということを歌っている。どんな意味を持って1曲目に選ばれたかはわからないが、この10周年イヤーと、待ち望んでいたこの日のライブが終わることで、次の新しい始まりがあるのだと言ってくれている気がした。そんなLEGOからの音をつかもうとするかのように、観客はステージに向かって手を伸ばし、またその手をつかもうとするかのようにヒロキもステージ際まで行く。カナタとヤマモトはお互いの鼓動を合わせるかのように目を見合わせ、アサカワはどっしりと真ん中からLEGOの鼓動を打ち続ける。そして、「end-end」の終わりのギターの余韻が残る中、「新木場コーストへようこそ!」という力強いカナタの一言から「dim」へ。イントロが鳴った瞬間、観客が一気にステージ側へと押し寄せる。この曲はLEGOが最初に作ったオリジナル曲なのだが、昨年のおなじ日に赤坂BLITZで開催された10周年イヤーの始まりを告げるライブでは、「dim」から始まって「end-end」で終わっていた。この日演奏されたアンコールを含む全22曲は、きっとすべてにそこで鳴る意味と思い入れがあったのだろうが、この2曲の並びはこの10周年イヤーをここでギュッと凝縮させたように感じられた。3曲目はライブの定番曲「テキーラグッバイ」。「跳べるか新木場!」(カナタ)と煽ると、歌詞を途中<“新木場”までいくように>と変えて歌う。正直に言うと、頭2曲は若干、緊張してるのかな?と思っていたメンバーの様子が、ここから楽しそうだな!という印象に変わった。音に合わせてカナタ、ヒロキ、ヤマモトがジャンプし、観客も“ハイ!ハイ!”と声を上げる。ときどき上ずるカナタの歌声も、それゆえに気持ちを揺さぶってくる。


3曲を終え、最初のMC。観客から飛び交う“最高!”“おめでとう!”の声に、「いつも静かな癖にしゃべるな(笑)」とヒロキが笑顔でツッコミを入れる。続くカナタは「ようやく、ようやく来ました、この日が。みんなで来れたと思っています。本当にありがとう! 10周年の締めくくり、そして、11周年目のスタートということで本当に特別な日です。本当に忘れられない一日にしようと思っていますので、皆さん、最後までどうぞよろしくお願いします!」と、ボーカリストらしいきっちりした挨拶をする。ちなみに、きっちりしていたのはここまでで(笑)、このあとのMCはいい意味でLEGOらしい、観客とコミュニケーションを取りながらの、ゆるさの中に隠した熱さが伝わってくるものだった。

4曲目「Spark in the end」から9曲目「A」までは、流れももちろん考えられていただろうが、その1曲1曲が際立っていて、曲ごとの思い入れが感じられた。LEGOのクールさが光る「Spark in the end」。転調してからサビまでの流れと、真っ白な明かりの中で一心不乱に演奏する4人の姿は、あとになって思い出しても鳥肌が立つくらいカッコ良かった。4人の心の火が一つずつ灯って行くような、照明と音の演出から始まった「バランス」では、カナタの歌にまた一段階、グッと引き込まれた。もともと歌の上手いカナタだが、この日の歌声は真っ直ぐに届くだけでなく、何があっても倒れない強靭さと、会場全体を包み込むような包容力も感じられた。そして、6曲目からは、1stアルバム『Quartette Parade』収録の「三月のマーチ」「Noticed?」「その時のこと」「A」と続ける。このあとに演奏される「ワープ」「Ray」も含めるとこのアルバムから6曲も披露されていたのだが、リリースされたときとメロディも歌詞も一緒なのに、鳴り方は違って聴こえた。心臓の鼓動のSEから始まった「その時のこと」の力強い演奏と、それを引っ張って行くようなカナタの歌声。アサカワのつむぐリズムに、ヒロキの繊細なギター、カナタの温かみのあるギター、そこに、ヤマモトの一気に全体の音を力強くするベースが重なるイントロから始まる「A」は、10年前からある曲だが、会場のすべてをその演奏で巻き込んで行くようなグルーブ感は、これまで聴いた中で一番だったと思う。初期の曲だからこそ、さまざまな出来ごとを経て、今、ここにいるLEGOだからこそ鳴らせる音に変わって行っていることに気づかされた。


会場から大きな拍手が起こる中、2回目のMCへ。第一声、「どう? カッコええやろう」と観客に問うヒロキ。文字にすると相当な自信家のように見えるが、もしこれが会話だったら「カッコいいんだけど……」と、つい“だけど”といらない否定形をつけたくなってしまう流れになっていて、ヒロキなりの照れ隠しなんだろうな、と勝手に思っている(笑)。でも、そう言われても今回は「カッコいいです!」と即答してしまう演奏だった。そんなふうに演奏に力を入れていたので「MCはノープラン」(ヒロキ)とのこと。いつもの毒舌を交えながら、いつも以上にとりとめない話をするヒロキ。「俺はエゴサーチしてるよ、みんなの感想とか、今日に対する想い。シンタロウくらいには勝ってるんちゃうかな?っていう人、いっぱいおるよ」、「ありがとうとか、楽しんで行ってください、なんて今更言わんでもええやん」「感謝なんてこの一年ずっと言ってきたし、これで『ありがとう』って言わへんかったって、感謝が足りないなんて言う人、ここにはおらんと思う」等々。そんな中、「すごいね、新木場コーストやって」っていう言葉は、なんの飾りもない素直な思いが出ていたように聞こえた。ライブDVDをMCも全部覚えるくらい、擦り切れるほど観たというバンドが立っていた場所に、今、自分たちも立っている。彼らの夢が一つ叶った瞬間だったことは間違いないだろう。


ライブも折り返し。「この一年、ここにいる皆さんにはホンマに愛をもらったので、今日は、全力でみんなに愛を返して行きたいと思います。そういう曲を聴いてください」(ヒロキ)と言って演奏された「大きな木」。カナタのギター弾き語りによる前半から、バンドサウンドになり、分厚い音に変わって行く後半。とにかく、カナタの歌声が素晴らしく、弾き語りでの優しく心に沁みてくるような声から、バンドでの力強くエモーショナルな声まで、1曲の中での感情の流れが歌から伝わってきた。そして、曲が終わるとともにステージが暗くなり、太く重いベース音と、それに呼応するようなドラムの音が鳴り出す。再び、明るくなったステージにはヤマモトとアサカワの二人だけがおり、ここからリズム隊によるセッションが始まる。LEGOの曲は一聴するとカナタの真っ直ぐな歌声と、ヒロキのギターフレーズに耳を奪われがちなのだが、いやいやこの二人あってこそのLEGOですよ、と言わんばかりのカッコよすぎる二人の音。一旦演奏を止めて、ビールで乾杯するご愛嬌も挟みつつ、「Wait?」のイントロへとなだれ込む。すると、なんと客席後方から衣装替えをして(そのことにちょっとびっくり(笑))ビデオカメラを持ったヒロキと、タンバリンを持ったカナタが登場し、観客の間を歩いてステージに向かう。ステージに上がったカナタは「暴れる準備出来てますか? 走れる準備出来てますか? 跳べる準備出来てますか? 声もっと出せんじゃねぇのかい!」と煽ると、「新木場行くで!」と叫び、<息はあるか 腕は動くか>と思いっきり力を込めて歌いだす。観客も腕を振り上げ、跳び、大きな声で歌い、“ここじゃ、終われないよ!”と会場が一体となって叫ぶ。感覚ではなく、実際に会場の温度が上がったのがわかった。そして「ドリルドリル」「正常な狂気」「溢れる」と怒涛の盛り上がりへ突入。この会場はもともとクラブとしても使用されているのだが、この一連はまさに踊りださずにはいられない状況だった。そんな中、「正常な狂気」ってこんなに大合唱が起こる歌だったけ?なんて思ったり、ここ数年で観客と一緒に歌うことの楽しさを知ったというカナタが、「溢れる」を作ったとき、こんなにみんなと一緒になって歌う日が来るって思ってたかな?とか考えたり……音に身体を委ねながらも、10年という月日を感じて、ちょっとだけ感慨深い気持ちにもなった。とりあえず、歌い終えたカナタが「楽しんでくれてますか? 俺らも最高です。ピーク!ピーク!すごいピークを感じてます!」と言っていたので、良かったな、と(笑)。


そんなピークに続けて、アルバム『心臓の居場所』から、「君の涙を誰が笑えるだろうか」「問う今日」の2曲を披露。「問う今日」は以前、ライブで披露したことがある曲だが、「君の涙~」はこの日がライブ初お目見え。にも関わらず、最後の“お~お~”と声を上げるところでは、すでに観客も一緒になって歌っていて、“歌”に照準を当てて作られた曲が、きちんと届いているのを目の前で見ることができて痛快だった。「久しぶりにやる曲です」と言って演奏された「LAIKA」も含め、11年目からのLEGOの姿も見えてきて、今後への期待が高まった。

ついに本編最後のMC。「あと3曲。早ない?」と残り少なくなった時間を名残惜しそうにするヒロキ。実際には1時間半以上やっているのだが、「ホンマに45分くらいしかやってない感覚です。足りねーわ」と本音を漏らす。そして、「明日(発売)のアルバムに想いのすべてを託しました。感謝とか、僕らがこれから鳴らすべき音とか、言葉とか。10周年イヤーっていう特別感は明日からなくなるけど、みんながいつも応援してくれてることだけは知ってるんで」と話し、「たぶん、11年目も大丈夫です。たぶんて言うたらあかんのやな。11年目も大丈夫です!」と観客を前に宣言した。


「あと3曲、全部歌え。3曲とも全部知ってる歌やから。全部歌え!」(ヒロキ)、「行くで!」(カナタ)との合図から、「ワープ」へ。ヒロキの思い通りの大合唱が起こる。続く、「Blue Birds Story」では、「新木場歌ってくれ!」と言うと、マイクを握り締めたカナタがステージ際まで出て来る。ここまで観客と繋がりたいという想いを全面に出して来たカナタの姿を初めて見た気がした。そして、「最後の曲です。今日一番の声で歌ってください」(カナタ)と言い、鳴らされたのは「RAINBOW」。<show me rainbow after the rain>と、会場一体となってのコーラスが起こる。「ホンマに、ここに来てくれた全員愛してます!」と叫び、渾身の歌を届けるカナタ。最後にもう一度、「今日一番の声で歌ってくれ!」(カナタ)と叫ぶと、この日一番の大合唱が起こり、その声とともに銀の紙吹雪が会場に舞った。その空間がこの上ない祝祭感に満たされると、虹色の光に彩られたステージでアウトロを鳴らしながら、ヤマモト、アサカワ、ヒロキと順に抜けて行き、最後にカナタがギターの音を止め、本編を終えた。


当たり前のように起こったアンコールに応え、再びステージに戻ってきた4人。まずは「ありがとう!」とお礼を伝えたヒロキが、ここまでの想いを言葉にして行く。この一年、毎ステージ、これが「最後になってもいい」という覚悟でやり続けて来たこと。その頂点である今日は、本当に死んでもいいくらいの気持ちで挑んだこと。そして、「10周年の最後の日、ここでみんなと終わらせることで、明日から進もうという気合だけがすごくて」と言い「LEGOのライブに来たい、来てよかったって思ってもらえる日になればな、と思って。今日はやってました」と話す。だが、ここでふいに言葉に詰まってしまう。あとで「こういうの嫌やねんな、やってるバンドがいたらいつも冷めた目で見てるのにな。やってもうたな、自分が。あーあー」と観客の笑いを誘いながらぼやいていたが……長い髪を何回もくしゃくしゃと触りながら、涙声になりながらも、その想いを伝えようと言葉を続ける。

「まだやってない曲がありますよね。もったいぶって(笑)。やるのばればれやのに。でも、アンコールでやりたくて。3月やから、いろんな出会いとか、別れがある時期で……僕らの話やけど、マネージャーの鈴木さんが辞めます。だから……鈴木さんが好きな『その時のこと』をやったりしました」

マネージャーという存在がどういうものかは、それぞれのアーティストによっていろんなパターンがあるものだが、LEGOにとっては苦楽を共にした、危機も一緒に乗り越えてきた、LEGO BIG MORLという家族の一員のような人だ。確かに“僕らの話”なので、ここに書くか迷うところでもあったが、そのあとのヒロキの言葉に続いて行くので敢えて、書いた。

「別れることのが最近多いから、それはしゃあないし。それをどう活かして行くしかないって思って。だから、みんなにも、今月は特にいろんな別れがあると思うけど。明日発売のアルバムにもそういう歌、いっぱい入ってます。自分らに向けても書いたし、みんなの顔を思い浮かべながら書きました。別れが成長させてくれるとは言いますけど、別ればかりでは心がもたなくて。だから、ここにこうやって来てくれたみんなとは、なるべく、お別れはしたくないです。11年目もたぶん大丈夫やから(笑)。ついてきてください、よろしくお願いします」

大きな拍手で観客がその想いに応える。そして、「ボクらの今のすべてがこもった曲です。最後に聴いてください」(ヒロキ)と言うと、アルバム『心臓の居場所』のリード曲であり、何年も前から彼らが大切にしてきた曲「あなたがいればいいのに」を奏でる。ヒロキが話してる間、他の3人は言葉を発しなかったけど、きっとヒロキとまったく同じ気持ちで、何かを言ったら自分が泣いてしまいそうだったからだと思う。それは、この「あなたがいればいいのに」を聴けばわかった。音は“音”に過ぎないから、感情なんてないという捉え方もあるけど、少なくてもこの日の「あなたがいればいいのに」は泣き笑いしてたように聴こえた。演奏を終えるとともににステージを去った4人だが、ダブルアンコールで再び戻ってくる。少し落ち着いたヒロキは「まだいる? あれでええやん。LEGOにしては珍しく感動的やった。あれで終わった方が良かったんちゃう?」といつもの毒舌も戻って、観客を笑わせる。そして「ツアーやります。6月から」と、ファンにとっては何より嬉しい報告もしてくれた。「ホンマに今日は全部出し切りました。そのツアーで待ってるし、それまでアルバムを聴いておいてもらったらつながれると思います」と言うと、これまで何度も大事な場面で歌い、LEGOを支えてきた1曲「Ray」で、10周年の最後を締めくくった。


とにかくこの日にあったことをできるだけたくさん、少しでも多くの人に共有してもらいたくて長々としたレポートを書いてしまったが、最後にもう一つ。アルバム『心臓の居場所』が本当にいい。本当はこのライブで聴きたかった曲がいくつもあったけど、それは6月からのツアーで聴かせてくれるはずなので、それまでの楽しみにしたいと思う。10周年を本当に全力で駆け抜けたLEGO BIG MORLが次に鳴らそうとしている音を、どんなふうに聴かせてくれようとしているのか、11年目からのLEGOにも期待したい。
(取材・文/瀧本幸恵)

≪セットリスト≫
1. end-end
2. dim
3. テキーラグッバイ
4. Spark in the end
5. バランス
6. 三月のマーチ
7. Noticed?
8. その時のこと
9. A
10. 大きな木
11. Wait?
12. ドリルドリル
13. 正常な狂気
14. 溢れる
15. 君の涙を誰が笑えるだろうか
16. 問う今日
17. LAIKA
18. ワープ
19. Blue Birds Story
20. RAINBOW
<アンコール>
1. あなたがいればいいのに
2. Ray