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クルド人虐殺のあった地下室 「銃撃やめて」の願いは聞き届けられず

4/1(土) 14:20配信

THE PAGE

 町の中心近く、一面に瓦礫の山となった一角があった。治安部隊による虐殺のあった地下室跡だ。攻撃が終わると、政府は地下室のあった建物を全て破壊した。証拠隠滅のためだ。

フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>- 高橋邦典 第44回

 「多くの負傷者がいる。銃撃をやめて救急車を呼んでくれ」

 戦闘中、3カ所の地下室に逃げ込んだ人々から、何度も携帯電話で訴えがあった。しかしエルドアン大統領は「全部嘘だ。負傷者などいない」と嘯(うそぶ)き、攻撃を止めることはなかった。ようやく内務省の人間を説得し、救急車が送られることになっても、現場の指揮官がそれをことごとく拒絶した。

 地下室内では日が経つにつれ死者数は増え、異臭を放ち始めたが、たまりかねて外に出ようとすると、銃撃にさらされた。

 封鎖が大詰めを迎えたのは昨年の2月7日だった。治安部隊が建物に突入。地下室にガソリンがまかれ、火が放たれた。子供を含めたおよそ180人が生きたまま焼き殺された。

(2016年6月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:4/3(月) 5:36
THE PAGE