ここから本文です

エスメルの息子は殺された テロリストの濡れ衣を着せられたクルドの悲劇

4/2(日) 14:20配信

THE PAGE

 エスメルは地下室で二人の息子を失った。

 息子たちが地下室にいることを知ったのは、長男が携帯電話を使って窮状を訴えたからだ。

フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>- 高橋邦典 第44回

 「ここにいる人々の多くは負傷者で戦闘員ではない。水も薬もない。救急車を送ってくれ」

 しかし、政府によって「テロリスト」のレッテルを貼られた地下室の市民たちの願いは聞き入られることはなかった。

 業を煮やしたエスメルは、息子たちを救出するため、同じ境遇の他の母親たちと共に白旗を掲げながら地下室に向かった。しかし、途中で治安部隊に捕まり、一晩留置された。治安部隊が、 地下室に砲弾を浴びせ火を放ったのは、その数日後だ。

 虐殺の日から1か月ほどして、黒こげの遺体の一部が入った袋を渡された。変わり果てた姿となった息子たちとの再会だった。

(2016年6月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:4/8(土) 5:50
THE PAGE