ここから本文です

「ただ平和がほしいだけ」 民族闘争のはざまで、口ずさむ絶望の歌

4/9(日) 14:20配信

THE PAGE

 マクブレは歌詠みでもある。子供の頃から、今は亡き父親がよく歌ってくれ、それで自らも歌うようになった。

フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>- 高橋邦典 第44回

 多くの市民が殺され、瓦礫と化したこの場所を訪れた時、思わず悲しみと絶望の歌が口をついて出た。

  また市民が焼かれた/
  ああ、私が目の見えない盲目ならばよかったのに/
  神よ、私はもう死んだのです

 長年続く民族闘争のはざまで、愛する夫や息子、娘を失った母親たちは数えきれぬほど存在する。

 「トルコ人もクルド人も共存できるはずなのに。どうして戦わなくてはならないのか? 私はただ平和が欲しいだけ」

 マクレブの頬に一筋の涙が流れた。

(2016年6月撮影)

※この記事はTHE PAGEの写真家・高橋邦典氏による連載「フォト・ジャーナル<トルコ~クルド人の悲劇>」の一部を抜粋したものです。

最終更新:4/10(月) 5:33
THE PAGE