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牛肉輸入2月 14年ぶり 米国産、豪州上回る 過剰生産はけ口に

3/31(金) 7:01配信

日本農業新聞

 2月の米国産の牛肉輸入量がオーストラリア産を上回った。経済連携協定(EPA)の関税引き下げを待つためにオーストラリア産の輸入が一時的に減った昨年3月を除くと、米国で牛海綿状脳症(BSE)が発生した2003年以降、14年ぶり。16年度(17年2月まで実績)累計では米国産とオーストラリア産との差は14ポイントで、前年同期の半分に縮まった。現地の供給過剰による価格安が続いた米国産がシェアを伸ばした。日本との2国間貿易も念頭に、輸出の拡大意欲を高めている。 

 貿易統計によると、2月の牛肉全体の輸入量は前年同月比24%増の4万604トン。うち米国産が1万9315トンで7割増と大きく伸びた。干ばつの影響が続くオーストラリア産は10%減の1万7534トン。

 米国産はBSEが発生した03年12月から06年7月まで輸入を停止し、日本市場での最大の輸出国から陥落した。その間、オーストラリア産が急増し、日本で最大の輸入量を保ってきた。

 米国が14年ぶりに日本への最大の輸出国に返り咲いた背景には、強い生産余力がある。米国の牛の飼養頭数は15年から増え続けている。農畜産業振興機構によると、17年の牛肉の生産量は1179万トンで前年を3%上回る見通し。2月の米国の牛肉卸売価格は供給過剰となり、前年同月比12%安。はけ口として、日本市場に目を向ける。

 日本のスーパーでは、オーストラリア産から米国産への切り替えも進む。全国に展開する西友は今月から、米国産バラの常時販売を始めた。昨年9月からは高品質な米国産「アンガス牛」も投入しており、現在は6アイテムまで拡充した。

 ただ、4月からはオーストラリアと日本とのEPAが4年目に突入し、同国産の関税が引き下げられる。関税率は冷蔵品がさらに0.6ポイント下がり29.9%、冷凍品は0.3ポイント減の27.2%になる。米国産は38.5%のままで、競争条件はオーストラリアの優位性が高まる。

 こうした関税面の不利にもかかわらず、米国産の輸出攻勢はまだ続きそう。今後、日米2国間の貿易協議で関税が撤廃・削減されれば、日本にとって一段と脅威となる。全米肉生産者・牛肉協会は3月、「(オーストラリアなど)われわれの競争相手が、最大の輸出先の日本市場で確実に優位に立とうとしている」と関税問題に狙いを定める。

 米国食肉輸出連合会は「輸出を拡大しなければ、(供給過剰にある)米国内の価格を圧迫し続ける」と喫緊の問題に位置付け、次期米通商代表部(USTR)代表候補に関税など貿易障壁の撤廃に取り組むよう求めている。

日本農業新聞

最終更新:3/31(金) 7:01
日本農業新聞