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サカナクション山口の“上京物語”「成功に躍起になっていた」

3/31(金) 20:01配信

TOKYO FM+

サカナクションの山口一郎が3月30日、TOKYO FMのレギュラー番組に出演。春から地元を離れて一人暮らしを始める人や、上京して東京で生活するリスナーに向けて、自身の上京当時を音楽と共に振り返りました。
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! サカナLOCKS!」3月30日放送分より)

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僕が上京したのは、2008年。ファーストアルバムの『GO TO THE FUTURE』とセカンドアルバムの『NIGHT FISHING』の2枚だけは札幌で作ったんですよ。3枚目の『シンシロ』を作るためにメンバー5人で東京に上京してきたんです。上京って言っても、当時は神奈川だったんですよ。みんな登戸に住んでいて、友達もいないからすごく孤独でした。で、家に集まって毎日制作。『シンシロ』のアルバムを朝から晩まで作ってましたね。
この後どうなるか分からなかったから、売れなかったら帰らなきゃいけないし、メンバーには女の子が2人いるし……。人生変えちゃったから、ここでなんとか成功しないといけないってすごく躍起になっていましたね。

登戸には多摩川の河川敷に、自転車とかランナーが走るコースみたいなのがずっとあるの。そこを僕は自転車で釣竿を持って、多摩川にナマズがいないかっていうのを夜探索するのが日課だったの。夜、家にいて1人でぼーっとすると不安になってくるし、寂しくなるから、釣りをすることで紛らわしていましたね。そのときの風景の曲が「ネイティブダンサー」です。

……でも、やっぱりみんな北海道に帰りたかったよね。帰りたいって言わなかったけど。“今をなんとか乗り越えよう、絶対に結果を出すぞ”って。これは、北海道の景色と東京の景色を重ねている歌ですね。

で、登戸に出てきた僕たちは、『シンシロ』でちょっとだけ売れたのよね(笑)。「ネイティブダンサー」がヒットして、武道館まで行ったのかな。で、武道館が終わってすぐに下北沢へ引っ越したんですよ。メンバーはそこから散り散りになったね。制作は下北沢の僕の家に集まるっていうスタイルで作り始めていきました。

かつての僕の田舎は、そんなに夜遅くまでお店はやっていないんです。飲食はやっているけど、雑貨屋とかはすぐに閉まってしまうんですね。だけど下北に行くと、狭い道にぎっしりお店があるんです。毎日、夜市みたいな。それにテンションが上がった思い出がありますね。
釣りができなくなった分、自分の夜の乗りこなし方を考えるようになったりして……オーディオとかね。良いスピーカーを買ったりとかそっちの方にシフトしていきました。どんどん潜る方に入っていった思い出がありますね。この頃一時期彼女もできたのよ。……すぐに別れちゃったけどね。

下北沢に住んでいた時の思い出の曲は……「years」っていう曲の歌詞を書き終えて、3日くらい何も食べてなくて腹ペコで、明け方2時~3時くらいに下北沢の王将に行ったんですよ(笑)。そこでディレクターとダラダラしゃべって。あそこは4時くらいまでやってるんだよね。で、その後はフラフラ散歩しながら帰ったんですよ。「モノクロトウキョー」は、その時の景色なんだよね。

下北沢は朝にゴミ収集車が来るのよ。そうするとめちゃくちゃ臭いの。東京の朝って臭いなーっていう印象だったり、電線だらけの景色とか、野良猫がひたすら人間を怖がっている街、東京……みたいな(笑)。田舎だと野良猫って、チチッって言ったら寄ってくるんだけど、東京って本当に寄ってこないなって。あと、渋谷の高架下はすごい景色だなって。ホームレスの人がバーッと寝ている横を高級車がバンバン走っている……みたいな。そういう光景って北海道にも登戸にもなかったから、東京ってこんな街なんだ……って。東京を知り始めてきた頃の歌ですね。

春から上京するみんな、親元を離れる人、新しい一歩を踏み出す人へ。サカナクション的なメッセージはおこがましいのであんまり言いたくないんだけど……変わるっていうことを恐れないでほしいね。変化を恐れると何も進んでいかないと思うし、失敗してもまたやり直せばいいと思うんだよね。遠回りするほうが雪だるま方式にいろんな感情が付いてきて、大人になる気がする。だから変化を恐れずに、今まで自分がしたことがなかったこと、新しいことにどんどん取り組んでいって、寂しさを紛らわすように自分を発見していってほしいと思います。
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2017年5月9日に、デビュー10周年を迎えるサカナクション。4月から始まるツアータイトルは「SAKANAQUARIUM2017 10th ANNIVERSARY 『2007.05.09』 TOUR」に決定。ツアー内容もライブハウスツアーのセットリストから更にブラッシュアップして、懐かしい曲のちょっとした余興(!?)も含む10周年仕様に変更されているとのことです。さらに、ツアーとは関係なく10周年記念ライブ(パーティ?)に関する発表があるということです。詳細は、サカナクションのオフィシャルサイト(http://sakanaction.jp/)をご確認ください。

最終更新:3/31(金) 20:01
TOKYO FM+