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「空母」が特別であるワケ 米「航行の自由作戦」を支える、その巨大な力とは

4/1(土) 11:10配信

乗りものニュース

緊迫する情勢受け、極東に米空母の「前方展開」が検討中

 昨今、東アジアをとりまく国際情勢は大変厳しくなりつつあります。特に経済発展を遂げた中国はその軍事力を背景に、南シナ海・東シナ海において国際法上、根拠に欠けた不当ともいえる過剰な海洋権益の主張を繰り返しています。

【写真】映画にも登場、米空母「ニミッツ」

 こうした状況に対応すべく、アメリカでは在日軍横須賀海軍施設(神奈川県)を母港とする空母「ロナルド・レーガン」に加えて、新たにもう1隻の空母を極東に「前方展開」することが検討されています。

 現在アメリカ海軍はニミッツ級原子力空母10隻を運用中で、「ロナルド・レーガン」を除く9隻はすべてアメリカ本土を母港としており、東海岸のノーフォーク(バージニア州)に5隻、西海岸のブレマートンに2隻、サンディエゴに2隻が駐留します。仮に極東への前方展開空母2隻化が実現した場合、ブレマートンかサンディエゴいずれかを母港とする空母が横須賀にやってくることになるでしょう。同時に来日する空母航空団は厚木基地への駐留が推測されます。

 アメリカ海軍空母艦隊「空母打撃群」は1隻の空母とそれを護衛する3隻のイージス艦、そして攻撃型原潜によって構成され、その航空戦力は戦闘機の数だけでも五十数機と、ノルウェーやオランダの空軍に匹敵します。一国の航空戦力相当を地球上あらゆる地点に投射可能であるがゆえに、空母はあらゆる兵器の中でも特別な意味を持った存在です。

世界各地で実施している「航行の自由作戦」のかなめ

 アメリカ政府はかねてより、他国が過剰な海洋権益を主張する海域に対し艦艇を派遣し航行させることで、「アメリカは許容しない」というメッセージを与える軍事行動、「航行の自由作戦」を40年近くにわたり断続的に実施しています。空母は巨大な攻撃力を有するが故に、実際に武力を行使しない「航行の自由作戦」においても最大級の圧力を相手に加えることができます。

 ただし武力を行使しないとはいっても、必ずしも戦闘が発生しないとは限りません。実際に実弾射撃にまで至った事例もあり、1981(昭和56)年の「シドラ湾事件」ではリビア空軍の戦闘機編隊が空母「ニミッツ」に接近、うちリビア空軍の戦闘爆撃機スホーイSu-22と艦隊防空にあたっていたグラマン(当時)F-14「トムキャット」が、可変後退翼戦闘機同士による珍しい2対2のドッグファイトに突入しました。このときは、高度な情報処理システムと新型サイドワインダー空対空ミサイルを搭載するF-14が圧倒、Su-22を2機とも撃墜し勝利しています。また1989(平成元)年にもシドラ湾において、F-14と可変後退翼戦闘機MiG-23によるドッグファイトが発生し、やはりF-14が勝利しました。

 2016年には東シナ海において、中国軍戦闘機と航空自衛隊戦闘機が異常接近し、ドッグファイトに近い状態にもつれ込んだのではないかという報道が何度かありました。それを考慮すれば南シナ海でも東シナ海と同じように、アメリカ海軍の艦上戦闘機と中国軍戦闘機のドッグファイトが発生する可能性は十分にあるといえます。

 現在の米中関係ならばドッグファイトとなった場合でも、シドラ湾事件のように実弾射撃にまで至るとは考えにくく、あったとしてもレーダー照準によって追い返す程度となるでしょう。しかしながら突発的に両者が望まぬ撃墜・被撃墜が生じることも、十分にあり得る未来だといえます。

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