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人間椅子「もっとでかいところで」“威風堂々”の狂乱ステージで魅了/レポート

4/1(土) 14:00配信

MusicVoice

 3ピースロックバンドの人間椅子が3月25日に、東京・赤坂BLITZでライブ盤『威風堂々~人間椅子ライブ!!』リリース記念ワンマンツアー『威風堂々』のファイナル公演をおこなった。ツアーは、2月24日の栃木 ・HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYAを皮切りに、14公演をおこなうというもの。最終日となったこの日は「鉄格子黙示録」や「わたしのややこ」など、初期のナンバーを織り交ぜたセットリストで、ダブルアンコール含め全18曲を熱演。ライブバンドとしての底力を魅せつけ、観客を熱狂させた。MCではニューアルバムの制作に突入することも発表し、和嶋慎治は「恐ろしいアルバムを作ります」と語って会場を沸かせた。

僕らのルーツはやっぱり高円寺

 開演30分前、クラシックロックのBGMが流れる中、会場はすでに多くの観客で埋め尽くされていた。ステージ上はギター、ベースアンプのレッドランプが不気味に光り、静かにライブへの期待感を高めていく。

 定刻になり会場は暗転。オープニングSEの「此岸御詠歌」が流れるなか、和嶋慎治(Vo.Gt)、鈴木研一(Vo.Ba)、ナカジマノブ(Vo.Dr)の3人がステージに登場。観客の手拍子が響くなかスタンバイ。緑色の照明が鈴木を照らし、歪んだヘビーラウドなベースのイントロが高揚感を煽る「鉄格子黙示録」でツアーファイナルの幕は開けた。そして、「陰獣」へと繋ぐ。人間椅子を語る上で、重要なナンバーでのスタートは観客を興奮の坩堝(るつぼ)へいざなう。緩急をつけた「陰獣」、間奏での鈴木のダウンピッキングがアグレシッブさを更に際出たせた。

 訪れた観客への感謝を告げるMCを挟み、人間椅子らしい他とは一線を画すリフが心地よい「九相図のスキャット」、聴くものの狂気を覚醒させる「狂気山脈」と、序盤から人間椅子の持つコアな世界観を見せつけていく。「狂気山脈」でのブルージーな、5分弱にも及ぶロングギターソロもエモーショナルに奏でていく。様々なフレーズを生み出す和嶋の手に観客の視線が集中する。

 MCでは「ファイナルということで、いつもより多くソロを弾かせていただきました。1.5倍です!」と和嶋。鈴木は「ツアー最後の日にこのソロは長いね~後で映像見て(小節)数えてみる」と話すと、和嶋は「意外と37小節とか奇数だったりするんだよね」とエンディングのギターソロの話題で盛り上がった。

 音源未収録の「わたしのややこ」と、初期のナンバーも出し惜しみなく披露。そして、和嶋のスペーシーなテルミンの演奏がアクセントを加える「宇宙遊泳」へ。間奏のテルミンソロでは、ステージを移動しながらパフォーマンス。メロイックサインやハート型など手の形を変え、観客を煽りながら奏でていく。続いて、不気味に奏でられるベースフレーズが響き渡る。プログレッシブな「宇宙からの色」とロックサウンドの美味しいところを詰めこんだナンバーで魅了。

 ここでツアーを振り返る。和嶋は「全国各地、特色はありますね。高松は第二のふるさと、名古屋は心のふるさとだなとか。ふるさとばっかりですけど(笑)。でも僕らのルーツはやっぱり高円寺だと思うんですよね。ここには夢と希望と挫折と青春が詰まってるんです」と、住んでいた高円寺への愛郷の想いを明かしてから、「1回離れた時期があったけど、再び高円寺に戻ってきた時にロックな街だなあと思った」とし、その想いのもとで制作したという「見知らぬ世界」を届けた。

 昨年リリースしたアルバム『怪談 そして死とエロス』から披露した「黄泉がえりの街」では、迫力のある鈴木の歌、間奏でのナカジマの破壊力抜群な弾丸のようなツーバスサウンド、めまぐるしく変わる展開が感情を揺さぶる。熱量の高いサウンドで会場のテンションを高めていく。

 MCでは、鈴木が普通自動二輪の免許を取得した話に。「一本橋が苦手でね。1回目の試験本番は逆走して一発アウトです。51歳で試験に落ちるとちょっと辛いんだよね…」と苦い経験を語った。そんな試験の気持ちとリンクした「心臓がバクバクして平常心を失う感じ」でもあるという「心の火事」を披露。真っ赤に染まるステージは、まさにメラメラと燃える雰囲気を醸し出す。

 イントロで和嶋の指弾きによるギターアルペジオが一気に世界観を変えた「深淵」。その怪しげな匂いを醸し出すアルペジオから、ギターのボリュームを上げフィードバックさせる和嶋の姿は、これから刀を抜こうとする武士のようにも見えた。

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最終更新:4/1(土) 14:00
MusicVoice