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有機EL高精細化のキーパーツ、蒸着用メタルマスク

4/3(月) 20:15配信

投信1

投信1編集部によるこの記事の注目ポイント

 ・ 韓国のサムスン電子だけではなく、米アップルなども注目する有機ELディスプレー市場の立ち上がりに重要な製造工程資材の蒸着用メタルマスク。
 ・ そのメタルマスクには「熱膨張を極力小さくする」ことが強く求められます。
 ・ 現時点で、スマホ用有機ELディスプレーの量産に用いられているメタルマスクは、すべてエッチング方式で製造されており、参入メーカーは大日本印刷 <7912> 、凸版印刷 <7911> 、台湾のDarwin Precisions(達運精密工業)。その他の方式でも日本のメーカーの存在感には注目です。
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次世代スマートフォン(スマホ)用ディスプレーの本命として期待される有機ELディスプレー。韓国や中国のディスプレーメーカーが新工場や新ラインの建設計画を相次いで具体化させており、調査会社の予測では、2020年に現在主流のLTPS(低温ポリシリコン)TFT液晶を搭載率で上回り、スマホに最も搭載されるディスプレーになる可能性があるとされている。その有機ELディスプレーの高精細化・高解像度化を担うのが、RGB発光材料の蒸着工程に不可欠な蒸着用メタルマスクだ。

スマホ用有機ELの解像度は現在、5.5インチクラスで400ppi程度であり、同サイズのLTPSに遠く及ばないが、「3D用に1000ppi、VR(仮想現実)端末用に2000ppiがほしいという要望があると聞いている」(ディスプレー部材メーカー担当者)といい、現在のところ3つの方式で製造されるメタルマスクが開発競争にしのぎを削っている。その3方式とは、(1)エッチング、(2)電鋳、(3)ハイブリッドである。

FMM成膜工程で使われる

まず、メタルマスクの使われ方を解説する。

現在量産されているスマホ用有機ELディスプレーは、そのほとんどが有機EL層の成膜に真空蒸着方式を採用している。この成膜工程において、RGBそれぞれの発光材料を色ごとに塗り分けるため、ガラス基板やフレキシブル基板に対向してメタルマスクを配置することで、マスクパターンに応じて任意の位置にRGBの発光材料が成膜される仕組みになっている。この方式を一般的にFMM(Fine Metal Mask)と呼んでいる。

より高精細・高解像度な有機ELディスプレーを製造するには、このFMM成膜工程において、メタルマスクの開口部を微細に加工して、きめ細やかにRGBを塗り分けることができるようにする必要があり、かつ正確な位置にRGB発光材料を蒸着させるため、ガラス基板と精密に位置合わせすることが求められる。

現在のスマホ用有機ELディスプレーは、第6世代(6G=1500×1850mm)の基板を半分にカットした「6Gハーフ」と呼ばれるサイズで蒸着工程を行っている。従来はもっと小さなガラスにしか成膜できなかったが、6Gハーフまで基板サイズを大型化できたことで量産効率が上がり、LTPSとほぼ同等にまで製造コストを下げることができるようになった。基板の大型化に伴い、FMMに用いられるメタルマスクも大型化してきたのだが、メタルマスクが難しいのは「伸びても重くてもいけない」という制約があるためだ。

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最終更新:4/5(水) 14:15
投信1

チャート

大日本印刷7912
1291円、前日比-18円 - 8/18(金) 15:00

チャート

凸版印刷7911
1105円、前日比-11円 - 8/18(金) 15:00