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北村牧場111年の歴史に幕 北海道最古の軟石サイロ解体へ

北海道新聞 4/3(月) 7:00配信

酪農黎明期に誕生 遊水地事業機に廃業

 【岩見沢】道内酪農の黎明(れいめい)期に開設された「北村牧場」(岩見沢市北村豊里)が、111年の歴史に幕を下ろす。旧北村の地名になった北村家一族が経営してきたが、国の遊水地整備事業で移転を余儀なくされ、廃業を決めた。現役では道内最古とされる大正期のサイロも解体される.

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 北村牧場は1906年(明治39年)開設。岩見沢市と2006年に合併した旧北村の開拓の祖・北村雄治氏(1871~1903年)の弟、謹(きん)氏(1882~1935年)が開き、飲用乳のほかバター製造を手掛けた。現在は謹氏の孫、中曽根宏さん(77)が4代目として経営している。

 中曽根さんは北村家で地域に残る唯一の末裔(まつえい)。北村遊水地事業で建物の撤去を求められ、廃業を決意し、これまでに乳牛約40頭を手放した。7日に残り約40頭を競りに出し、牧場経営に幕を下ろす。その後は牧場を更地にし、年内にも江別市に転居する。

 2年前まで北海道酪農協会会長も務めた中曽根さんは「牛飼いの労働は年間約4千時間。子供も海水浴に連れていけないほど忙しかったが、やりがいがあった。もう少し若ければ別の場所で続けたんだけど」と話す。

 牧場のシンボルは、25年(大正14年)に建造された高さ約9メートルの札幌軟石製サイロだ。泥炭地に多くのくいを打って造られた。「内部をワイヤで補強してあり、持ちこたえられた。大正時代にこの大工事がよくできたと思う」と中曽根さん。歴史的建造物として移築も考えたが、東日本大震災で亀裂が入るなど劣化が進み、解体することにした。

 北村牧場は歌人・石川啄木とも縁がある。

北海道新聞

最終更新:4/3(月) 12:15

北海道新聞