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賛否わかれる「ラ・ラ・ランド」、いいところ、悪いところは?

4/3(月) 20:47配信

TOKYO FM+

ミュージカル女優・笹本玲奈とグレゴリー・スターがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「スカパー! 日曜シネマテーク」。
映画の故郷・フランスには世界中の優れた映像作品を未来に伝える“シネマテーク・フランセーズ”というフィルム・アーカイヴがあります。この番組はそのラジオ版。心ときめく映画の楽しさを未来に伝えていくプログラムです。

4月からは放送時間が30分繰り上がり、毎週日曜日15時からの放送となりましたが、それにあわせて中身もリニューアル。その最初の放送となる4月2日(日)は、放送作家の鈴木おさむさんが好きな映画ベスト3を選んでくれました。

まずは鈴木さんの前に、パーソナリティ2人がそれぞれベスト3を紹介。
笹本は3位に「アナスタシア」、2位には「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」。そして、1位は「ガイズ&ドールズ」とミュージカル女優らしく、全てミュージカル作品をチョイス。

一方、グレゴリー・スターはこの日の気分で「赤ちゃん泥棒」、「七人の侍」、「アラビアのロレンス」の3作品を順不動でセレクト。
ちなみに街の人の意見を聞いてみると、「レオン」や「ブルース・ブラザース」、「酔拳」、「かもめ食堂」、「トゥルー・ロマンス」、「グリーンマイル」、「シザーハンズ」、「少林サッカー」、「ザ・ロック」など、洋邦問わずさまざまな映画が挙がっていました。

そして鈴木さん。
彼は映画ベスト3を教えてほしいとよく言われるそうですが、逆に人に尋ねることも多いとか。なぜかと言えば、他の人の好きな作品を聞くことで自分のフィールドにはなかった作品が観られるから。さらには、その映画を観ることでその人の性格がわかり、すごく仲良くなれる。そこで聞いた作品を観た後にその人に話をすると喜ぶからだそうです。

そんな鈴木さんのベスト3ですが、1位が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。彼が中学生の頃の作品にも関わらず、当時の興奮が今も残っているとか。以前はもっとオシャレな作品を挙げていたそうですが、これを1位と言える自分でいたいと思い、あるときから「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を1位にしているそうです。

そして、ふたつ目は「ムーラン・ルージュ」。この2作品は常に決まっていて、もう1本はそのときに一番よかった映画を言うようにしているそうですが、ここで挙がったのは「ラ・ラ・ランド」。これを観た日はとてつもなくいい1日になる、なかなか出会うことのできない映画と絶賛していました。

以上が鈴木さんの映画ベスト3ですが、この日はこの3本について映画批評家の前田有一さんが解説。前田さん曰く「鈴木おさむさんらしい、ものを作る視点だなと思いましたね」とこのセレクトについて話していましたが、なかでも注目したのは「ラ・ラ・ランド」。

これは今年のアカデミー賞でも6つの賞に輝いたミュージカル映画ですが、そもそもハリウッドの中でもオリジナルのミュージカル映画は鬼門とされ、なかなか手を出せなかったところを31歳とまだ若いデミアン・チャゼル監督が見事な作品を作り上げた超話題作。

画面の隅々まで気を配り仕上げられた「ラ・ラ・ランド」は映画業界でも高い評価を受け、前田さん自身驚かされる部分が多かったと言いますが、一方で過去の映画業界の話などを盛り込んだストーリーにはどこか賞受けを狙っている感があり、なおかつ肝心のミュージカル場面がもう少しクオリティがあればと惜しむところも多々。今作は観る人によって賛否両論あり、そのためアカデミー作品賞を逃したのではないかと前田さんは分析していました。

というのも、アカデミー賞の中でも作品賞は投票が特殊で、1位に投票した人が過半数をとらないと受賞できず、どの作品も過半数に届かなかった場合は再集計し、過半数をとるまで投票を繰り返すそうです。

そのため1位に挙げた人と4位以下にした人が多い、いわば好みがわかれるような作品は受賞するのが難しく、それよりもトップ3に入れた人が多い作品の方が受賞しやすいと前田さんは言います。

「ラ・ラ・ランド」は今年のアカデミー賞で6冠に輝きましたが、惜しくも作品賞を逃したのはそうした評価が別れたところに由縁がある、前田さんはそう話していました。

(TOKYO FMの番組「スカパー! 日曜シネマテーク」2017年4月2日放送より)

最終更新:4/3(月) 20:47
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