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「もう立っている方がいい」狭すぎてハラハラする都内の“痛勤”電車のイス

4/4(火) 10:30配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 都内を走る朝の地下鉄。先日、よく通勤に使う千代田線に乗っていると、途中の駅から太った中年の男性が乗ってきた。車内はかなり混んでいたが、男性は、長いすにできたわずかなスペースを見つけて腰掛けた。

 ダウンジャケットを着ていた男性は、相当な横幅だった。それに対し、座席のスペースは、女性でも座るのをためらうのではと思えるほど狭い。にもかかわらず、男性は、かなり強引に自分のお尻を押し込んで座ったのだった。

 両隣の乗客はとても迷惑そうな表情に一変した。そのうち一人の男性は、横目でチラチラとにらみつけ始めた。近くに立っていた私は、トラブルに発展しないか、ハラハラしながら緊迫する様子を見守った。

■日本人の体形に合わない?

 日本工業規格(JIS)の「通勤者用電車―車体設計通則」では、1人当たりの座席幅は「43センチ」になっている。男性用ワイシャツのSサイズの肩幅が44センチ前後だから、JISの設定は厳しめだ。戦後、日本人の体形の変化に規格が合わなくなってきたのだろう。

 鉄道会社も1人当たりの座席幅を大きくしようと努力はしており、現在の東京・山手線は45センチ程度になっている。

 だが、冬場はコートなどを着込むので、定員7人の長いすに全員成人男性が座ると、やはり窮屈な思いをすることになる。座ったままスマートフォンを操作すると、ひじを張るような形になって窮屈さが増す。

 さらに、最近は、隣の席との境目を分かりやすくするためか、座席のクッションとクッションの間に「くぼみ」ができた長いすが増えてきた。これでは、座る人の体形や服装に合わせて、例えば7人がけを6人で座るような“調整”もままならない。

■「もう立っている方がいい」

 東京勤務の記者にとって、通勤電車はつくづく“痛勤”電車だと実感する。

 混んでいるのが当たり前。ラッシュ時はつり革につかまれるだけでも運がいい。座席に座れたら、もう僥倖(ぎょうこう)のようなもの。ほとんどの乗客は何にもつかまらず、突っ立ったまま、ぎゅうぎゅう詰めになって車内で揺れている。

 人口が多い都内では、多少の窮屈な思いは我慢しないといけないのだろう。そうはいっても、わずかなスペースに体を押し込んでまで心身ともに肩身の狭い思いをするぐらいなら、立っている方がいい。ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られながら、そう思う今日この頃だ。

西日本新聞社