ここから本文です

サンウルブズの指揮官&田邉コーチが語る、初勝利のための「最初の48時間」

4/4(火) 10:37配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 試合のたびに攻撃の方針にマイナーチェンジを加えながら、連携を保った。戦術の詳細を組み立てる田邉淳アタックコーチが、その肝を語る。

エンジンさらに大きく。サンウルブズ司令塔、元ジャパンらも日野自動車へ。

「非常に大事なのは、週の初めの48時間。(ブルズ戦に向けては)きょうの朝、午後、明日の朝、明日の午後が、選手にとって(プランを)学ぶ時間です。すべての練習をビデオに撮って、選手は休み時間を部屋で勉強をするのに充てています」

 話題が攻防の起点であるスクラムやラインアウトに及ぶと、ちょうど田邉コーチの隣にいたフィロ・ティアティア ヘッドコーチ(HC)も「先ほど田邉が言った通り、ここでも週の初めの48時間が勝負」と頷く。長谷川慎スクラムコーチの指導を「大きな相手に対するスクラムの組み方を徹底してくれている」と評価したうえで、こんな話を重ねた。

「どうボールを獲得するか。それには、最初の準備が重要。セットピースの成長はハッピーですが、ほかの準備も重要性は変わらない。ラインアウトに関しては、私がリーダーとどう相手ボールを奪うかについて話し合っています。まだまだ成長の余地はあるので、今後も成長していければと楽しみにしています」

 4月3日、東京の辰巳の森海浜公園ラグビー練習場。国際リーグのスーパーラグビーへ日本から挑むサンウルブズは、第7節に向けた「最初の48時間」のスタートを切る。オフロードパスやゲインメーターの数値で上位層に入るなど攻めで手応えをつかみながら、目下、開幕5連敗中。本拠地2戦目となるブルズとの対戦では、なんとか初勝利をつかみたい。

 過去3度の優勝経験がある南アフリカのブルズとは、3月17日、敵地・プレトリアでの第4節で激突している。この時は相手選手に退場者が出るも、巨躯が塊をなすモールに苦しんだ。21-34で敗戦。リベンジが期待されるティアティアHCは、彼我の体格差を踏まえこう語った。

「南アフリカのチームは同じDNAを備えている気がします。我々のペナルティがあれば、ラインアウト、スクラムでプレッシャーをかける。大きなチームと小さなチームでは、大きなチームがほとんどの場合、勝ちます。ただ、毎回そうなるとは限らない。今回立てたプランを今週末、実行できるか。楽しみにしています」

 この日の午後におこなわれた全体練習では、所定のフォーメーションを保ちながら球を回す手法、キックをしてから弾道と相手を追う時の連携を確認した。

 BKだけでのユニットトレーニングでは、グラウンド上を鋭くえぐるキックの練習も繰り広げられた。田邉アタックコーチの言葉を借りれば、「ブルズはセットプレーが強いし、ラインアウトの後も8回中7回はモールを組んでくる。その数をどう減らすか。そのためには、キックの種類も重要になる」のである。

 攻撃を仕掛けるサンウルブズがキックを放てば、一転、ベン・ヘリング ディフェンスコーチによる守備システムの出番がやってくる。全体のハーモニーをチェックする田邉アタックコーチは、勝負への鍵をこう明かすのだった。

「大事なのは、蹴ってからどうディフェンスするかです。ベン コーチのディフェンスプランとマッチ、コラボできれば、よりよいアタックもできるようになる」

 サンウルブズは3月のツアーを終えると、約1週間のバイウィーク(ゲームの組まれていない休息週)に入った。ブルズ戦に向けて集合した4月2日からは、それまで一時離脱していた日本代表経験者も相次ぎ復帰。そのうち共同主将のSO/CTB立川理道は3日は途中から別メニュー調整となったが、SHの田中史朗、SOの田村優ら多くの主軸候補がフル参加。LOの真壁伸弥、大野均はセッション終了後もグラウンドに居残り、ラインアウトの動きを再確認していた。

「初めの48時間」の序章を奏でるなか、田邉コーチがチームの歩み方を説く。

「土曜日の試合にパフォーマンスのピークを持っていく。その時までに、各選手がどのような練習をいつ、誰とするかというプランも立てて、コーチ陣がそれを理解している。それが、ひとつのプロセスです」

 ハードワークの結実はなるか。

(文:向 風見也)