ここから本文です

ジビエ拡大 官邸が旗振り役 流通整備に大胆戦略

日本農業新聞 4/5(水) 7:00配信

 野生鳥獣の肉(ジビエ)の利用を拡大していくため、政府は菅義偉官房長官を議長とする関係省庁の対策会議を設置する。5日に首相官邸で初会合を開く。省庁の縦割りをなくし、官邸主導で大胆な戦略を打ち出す。課題となる効率的な流通体制整備や、需要の掘り起こしにつながる具体策を検討する。伸び悩むジビエ利用を大きく進め、地方の経済成長につなげる。食肉利用が広がれば、狩猟を一層推進し、農作物被害の抑制につながる期待が大きい。

 設置するのは「ジビエ利用拡大に関する関係省庁連絡会議」で、山本有二農相が副議長を務める。ジビエを所管する農水省に加え、野生鳥獣の捕獲を進める環境省、食品衛生を担う厚生労働省なども参加する。会議は複数回重ね、2018年度予算の各省庁の事業などに反映させる方針だ。

 ジビエの利用拡大に向けて、最大の課題となっているのは流通体制の整備だ。農水省の調べでは、捕獲した野生鳥獣の9割が食肉利用されずに廃棄されており、供給が不安定となっている。捕獲した山林からの運搬が困難なことが背景にあり、食肉処理施設まで運んで放血や内臓摘出ができず、肉が傷んでしまうケースも多い。

 このため対策会議では、山林から消費地までの効率的な流通体制を省庁横断で整える方策を議論する見通しだ。現状では、山林からの鳥獣の運搬ルートが整っていない地域が多い。特に鹿は国有林や国立公園に多く生息していることから、これらを所管する環境省などの協力が欠かせない。

 併せて、ジビエの需要を掘り起こす対策にも力を入れる。生産や販売に成果を上げた全国の優良事例を分析し、ジビエが普及していない地域にも役立つ消費拡大策を打ち出したい考えだ。

 食肉の衛生基準も検討課題になるとみられる。現在は厚労省が狩猟方法や食肉処理、販売などの段階ごとの基準をガイドライン化している。これを基に、狩猟現場が取り組みやすい仕組みが作れるか議論する。

日本農業新聞

最終更新:4/5(水) 7:00

日本農業新聞